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日々の破片

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2022-05-29

_ バブル

豊洲でバブル。

大コケ作品みたいな評判と声優がだめみたいな情報がおもしろかったので観に行った。

21世紀になってから大コケとか言われるのは大体映画文法的にはおもしろいようだし、声優どうたらと能書きがつくのは大抵の場合過剰演技が好きな人(声が大きい)が騒ぐものと相場が決まっていると考えているから、実際にどうだか観てみようと思ったというのは大きい。

で観てみたらおもしろかった。少なくとも退屈するシーンはなかった。ただエンドクレジットの歌は妙に耳に残るが音的にすかすかしていてそれほど好みではない。

物語はシンプルだ。

最初凄い速度で背景が説明される。そのスピードたるやクリントイーストウッドの映画を凌駕するのだが、同じように、そこは作品の興味の埒外ということなのだろう。

で気づくと青い服着た連中と黄色い服着た連中がビルからビルへと飛び移って追っかけっこのようなリレーのような競争をしている(パルクールなのだが、何か別の呼ばれ方をしていた)。それを見張っている黒い連中、旗のところで待っている大人(青い連中のグループでもあるが、外部から内側の調査のために派遣されている連中とわかる)がいる。青いチームのおっちょこちょいの子供が危ない状況でやたらとクールなやつが助け出す。ここで主人公登場。

で青いチームが勝って、それが主人公のヒビキという少年か青年か微妙な男の側だ(作中、東京タワーを中心に大爆発が起きてから10年が経過していて、東京タワーにいるときは小学校低学年っぽいので20歳前くらいか)。仲間には操船技術の勉強をしている口が悪いどうもリーダー格(口の悪さからホワイトベースのカイみたいなのだが、リーダー格)、本物の小僧(13歳くらいかなぁ)などがいる。

で、ヒビキという主人公はそれほどチームメンバーと溶け込んでいないのだが、戦力としてでかいのでリーダーは別行動を気にしない。小僧は小僧っぽく気にしている(いかにも子供らしい性格付けだ)。

ヒビキは唐突に歌が聞こえると言い出して東京タワーに向けて飛び出してしまう。何度か東京タワーに挑戦しているらしいことがわかるが、ある程度の高さから上は重力の乱れが大きいためうまく行かない。今回もやはりうまくいかずに落下してしまう。それをそこら中に漂っている泡の1つが追っかける。

この泡が漂っているのがおもしろい。まず、手の上で弾ける描写があるが、常に大量の水が出てくるから気泡というわけではない。ときどきパルクールの最中に踏み石代わりにできる(ただし難しいらしい)ので、単なる空気の泡ならばそうはいくわけはないので確かに中身はあるのだろう。一方、全体としては重力がありちゃんと落下するわけで、では浮かんでいるのは一体なんだろうか? と考えると、それぞれが引っ張り合ってバランスを保っていると考えると良いのかも知れないし、そもそもそれがなければパルクールができないので置くことにしただけなのかも知れない。

ヒビキは水の中に落ちて、沈んでいた中央線に引っ掛かって出られなくなる。意識を失う。

そこに泡が追いついてくる。泡はさてどうしようかと見まわすと、妙な格好をした少女のポスターが目につく。手足があるので、少年と同じ種族の形態であろうと即座に判断してその形状を真似る。これで助けることができるかも知れない。ではどうやって動かすのだろうか? と、きょろきょろすると川岸にネコがいる。その動作を記憶して再現しつつ、少年を助け出す。

青い連中のところに無事帰還し、名前がないので泡が変身した少女にウタという名前をつける。大人のうちの女性科学者が船内を案内すると、海に関係する(ロビンソークルーソーとか)本棚をウタが気にする。人魚姫を取り出して読んでやる。ウタ、内容とセリフを記憶する。このなんでも記憶能力はすごくて、最終的にはヒビキと一緒に螺旋構造の勉強をしたりして、黄金比の計算(手書きでルート5が出てくる式をオウム貝の横に書いてあるノートが出てくる)までしたりしている。

一方、黄色い連中と黒い連中がパルクールをしているのだが、一方的に黒が勝つ。

青グループでは、見た目は妙な服を着た猫真似をする少女という奇天烈な存在が、飼育している鶏を襲ったもので諍いが生じたりする。(とはいえウタの記憶能力と再現能力はとんでもないので、あっという間にネコの動作はなくなって人間化するのだが)

ヒビキは少し離れた場所に秘密の花園を造っている。そこにウタがやってくる。照れるヒビキだが、ウタは気にせず歌を歌い始める。あ、東京タワーから聞こえてくるのはその歌だ、とヒビキは気づく。ウタ、そのままビルの上の柵を乗り越えて宙に飛ぶ。あわててヒビキが追う。もちろんこの特殊な環境なので夜を駆けたりはせずに、そのまま宙を漂う瓦礫や泡を飛びながらの追っかけっことなる。

このシーンの美しさが抜群で、間違いなくこのシーンのためにこの映画は存在する。ちょうどウルフウォーカーでロビンとメーヴが追いかけっこをする抜群なシーンと同等だ。いやぁ、観に行って良かった。

黒い連中はパルクールの動画配信で稼いでいる連中でスポンサーから送られた特殊なブーツを履いている(着地の衝撃をうまく処理できるのかな?)ことがわかる。その連中が女性科学者を誘拐してパルクール勝負を挑む(別に誘拐なんかする必要はないような気がするが)。ウタも参戦して黒い連中とのパルクールが始まる。

黒い連中の罠にひっかかって青い連中の大半がやばい状況になったところでウタが登場してバトル続行(ちょうと最初のパルクールでヒビキを登場させるのと対応付けたのかな?)。当然ながら青が勝つ。

という調子でほとんどの時間はパルクールで飛び回っているのが主眼となるので、物語は人魚姫にお任せして突っ走る。

東京タワーを中心にした2回目の爆発が発生しそうで、それを阻止するためにはそこまでいかなければならないという状況を作る。

リーダーは勉強していただけあって、船を操舵する。潜水艦が壊れたため漂流していた黒いチームはブーツを売る(買ったばかりの靴を履いてうまく跳び回れるのか? という疑問はあるが、青チームはこれによって戦力が強化できる)。

展望台についたヒビキはそこで、ウタとの出会いが10年前にあったことと、最初の爆発がそれが契機となったことを知る。

とはいうものの、ウタはヒビキを助けるために、自分は泡に戻っていくのだった。


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