トップ 追記

日々の破片

Subscribe with livedoor Reader
著作一覧

2018-10-21

_ ブレードランナー2049

帰りの飛行機では、ブレードランナー2049を観た。

日本語吹き替え版なので字幕がない。同じくエンジン後ろの席なので音はそれほど聞き取れないのだが、それでも要所は聞き取れているのか、それとも映画作家の腕が良いのかストーリーは理解できた。

これはリドリースコットのオリジナルよりも良いものではないだろうか。(オリジナルはレーザーディスクが擦り切れるわけないがノイズが乗るくらいに何10回も観た)

第一にこれはディックの作品になっている。

ディックの作品は次の2つのテーマを持つ。

・おれは一体誰なんだ?

・何をもって人間は人間と言えるのか?

最初のテーマは、自問自答させれば済むと考えれば、トータルリコールのようなつまらない映画になるし、次のテーマは恋愛っすよ、と割り切ればリドリースコットのブレードランナーになる。

でも、2049はもう少しまじめにディックの作品にしていた。

ブレードランナー 2049 (字幕版)(Andrew Kosove/Broderick Johnson/Bud Yorkin/Cynthia Yorkin)


2018-10-20

_ 今回のトラブル

10/15 ESTAが必要と知らなかった。知ったのは家を出る1時間前で、金はかかるが役所よりも早いんじゃないかと後から考えると無意味なことを考えて業者経由で申請してみた。それから2時間後、ユナイテッドのカウンターでESTAは不明と申告すると係員が調べて、まだ通ってないし、業者はあてにならないからこの場で大使館に申請しろと言われる。しょうがない。スマホのUIで死ぬほどうんざりしながら、延々と入力項目を再入力してPayPalで14ドル払って搭乗手続きを終わらせた。しかし、ESTAの申請が間に合わないとどうなるのかな? とそれなりに興味深くはある。ところがゲートへ向かって歩いているとスマホにメール着信が来て、業者から申請が通った、これが証拠とPDFが送られてきた。金取るだけあってちゃんと仕事してるじゃん。が、10分遅かった。まあ、このあたりは金だけの問題だからいいけど、全然時間的には余裕はあったのだから、もっと早く調べておけば良かった。完全に9・11前のヴィザフリーの時代の感覚のままだったのが敗因だ。

10/16 ホテルに戻ったらカードキーを入れると緑の点滅の代わりにオレンジが点滅して、まったく開かない。

磁気がやられたのかな? と予備(2枚渡された)のほうでやっても同じだ。

どうしようもなくなって、フロントに行って入れないんだけどと言うと、システムがトラブっていて、というようなことを言われて、デポジット用のカードをもう一度渡せ、ときた。で、渡して、しばらくしてから部屋番号は? と聞かれて答えると、今、設定し直すと言われて別のカードを2枚渡された。

で、この件は終わり。

10/18 会場のセキュリティチェックで常にピースカピースカ鳴るので万全を期して、金属系のものをすべて小皿に入れて通ったら、見事一度でクリアした。

で、財布、キー、小銭、などなど一式を受け取って持ち場に入れ始めたら持ち方が悪くていきなりスマホが活性化したのでそのままポケットにしまうわけにも行かず電源ボタンを押してスリープさせてとかわさわさやっているときに、何かをしでかしたらしい。

しばらくして、鼻をかもうと左ポケットに入れてあるポケットティッシュをまさぐると無い。変だな? と思いながらカバンの中の別のやつを使ってその時はそれで完了させてしまった。

それからさらにしばらく(数時間経過)して、左ポケットが空っておかしいぞ? と思い返した。何が本来あるかといえば、ポケットティッシュの他はホテルの予備の紙ジャケットに入ったカードキーで、待てよ、紙ジャケットには部屋番号が記入されているし、カードにはホテル名がある。これはやばいのでは? と気づいた。

どうも、セキュリティチェックの後、左ポケットに入れるべき一群の品を仕舞う前にスマホの電源をオフするためにいじっているうちに落としたのではないか? と気づいた。えーと、左ポケットには他にも何かあったような……と思い出すと、何か赤いものが脳裏のスクリーンに写し出される。赤いものってなんだ? とアップにして真っ青になった。パスポートじゃん。

あわててセキュリティのところに戻ろうとしたが時間が過ぎているので最初の入り口のほうはすでに撤収している。で、別の場所のセキュリティの係員にどうもおれはパスポートを落としたと申告すると、それは大変だ、とビルグラハムのロスト&ファウンドへ連れて行かれた。が、窓口の係員は、パスポートの落とし物はないなぁとちょっと調べて言い出した。

無いよ、と係員。ありがとう、じゃあ他を当たるよと言って別れる。

でしばらく行くとKWCの人たちを見つけたので、泣きついた。早速、Slackを使って聞いてくれると地下に別のロスト&ファウンドがあるということがわかり、一緒にそこへ行く。が、そこにも無い。

もしかすると、左ポケットの内容そのままホテルに置いたままで、脳裏の写像は昨日のものかも? とほのかな期待が湧いてきたので、まずはホテルを確認してみると言って、おっかない通りを刺激させないようにしかし急いでホテルへ向かう。しかしどこにもねぇ。記憶のほうが正しかったな。でも少しも嬉しくはない。

一方、KWCの人たちはこの頃、何も知らない八木さんを捕まえて何やってんじゃと詰問していたらしいが(ごめん)、おれはそれは知らないまま、またもおっかない通りを刺激しないようにしかし最速でビルグラハムへ戻る。

そこにSlackで見つかったという連絡が八木さんから入ると同時にKWCの人に出会って、見つかった! と渡してもらえた。推測通り、元のセキュリティのところからそのままレジストレーションのところで保管されていたらしい。

と、皆さんにはご迷惑をおかけしました。非接触式ICだからインレイに金属反応するんだろうといちいちパスポートを移動させたのがまずかったなぁと反省しまくった。というか、スマホよりも本来は重要なんだから、まずはそっちを確実に片付けてから他のことをやれば良いのに、価値転倒させた行動がまずかった。

どうも本当にありがとうございました。

で、なぜか見つかったパスポートにはポケットティッシュがはさまっていたがホテルのキーは無い。ジャケットも当然ないわけで、最初にやばいと考えた状態は全然解消されていない。で、ホテルに戻るとフロントに、カードキーとジャケットを落としたので、キーを変えてくれと頼んで変えてもらった。16日のカードキーのトラブルでドアロックの設定とカードキーは独立して管理できていることを知ったので、組み合わせが変えられることはわかっていたからだが(物理キーと違って良い仕組みだな)、カードキーを1枚紛失したのは事実なので、いくらチャージされるんだろうか?

10/19 トラブルではないが、モバイルバッテリーを取りに一度外出してからホテルへ戻ったら部屋掃除の人と鉢合わせになった。バッテリーを取りに来ただけだからそのまま続けてくれと言ったつもりで、カバンからモバイルバッテリーを取り出して出て行こうとしたら、待て、キーを渡せ、と言われる。で渡すとドアに通して緑の光が点滅するのを確認してから返してくれた。

なるほど、正しい。


2018-10-15

_ 硫黄島からの手紙

15年ぶり以上で飛行機に乗ったら、すっかり様変わりしていた。今や映画は目の前の座席についたLCDで個別に見ることになっているのだな(16年前はエコノミーは10列あたりに1つの中型モニターが天井からぶら下がっていて一律でそれを観るようになっていた)。

で、何があるか見ていたらクリントイーストウッドの硫黄島からの手紙があり、劇場公開時に見逃していたのでそれを選ぶ。

翼の後ろの席なのでジェットの轟音がすごくてあまり聞き取れないが、英語字幕が付いているのでどうにか筋を追うことはできた。

尉官は暴虐のカスで、海軍士官は能無し揃いのところに、戦略家の陸軍大将が赴任し、足で歩き目で見て持久戦のための戦略を立てて米軍と闘うという一応歴史そのままの中に、徴兵されてやってきたパン屋の上等兵や、人情味を出したために憲兵隊から追い出されて最前線送りにされた上等兵の銃後のエピソードをからめた物語が展開される。

冒頭は、硫黄島にある岸信介による碑の大写し。そこに遺品管理のために派遣されたらしき研究班が地下通路から発掘した書簡などから物語が始まる、一種の額縁物語となっていた。

言葉ではなくフラッシュバックで描かれる過去がどう現在になるかというクリントイーストウッドの得意な手法なのだが、観ていてクリントイーストウッドの日本映画という妙な取り合わせだということに全く違和感がないのはおもしろかった。

硫黄島からの手紙 (特製BOX付 初回限定版) [DVD]

確かに傑作だった。


2018-10-14

_ 有東木のワサビ

五反田でアフリカ料理を食おうとしたら、貸し切りで入れず、しょうがないから適当な店で定食を食いながら壁を見ると「当店は有東木のワサビを使っています」とか書いてある。

有東木って何て読むんだ?と不思議に思って調べたらワサビ発祥の地という口コミ観光ページが出て来た。

ワサビの葉っぱが三つ葉葵に見えるので徳川が駿府から持ち出し厳禁にしていたところ、シイタケの栽培方法を教えに来た天城の技術者にお礼として苗木をこっそり渡して外部に知られるようになったとか、知らないこと満載でおもしろかった(定食はご飯がしっかりしてるし、味噌汁は海苔が良い感じ、魚も悪くなく存外うまかった)。

朝のNHKドラマで、ワサビとシイタケを組み合わせてご当地名産を作る話があったが、上のエピソードからいくと、このあたりが舞台だったのかな。

ところで、結局、有東木の読みはわからなかった。

上でリンクしたページの道路案内ではUtogiと書いてあるが、いろいろなところで、「うつろぎ」と書いてある。道路公団としてはうとぎで、一般にはうつろぎ、ということなんだろうか。

比較的地名は辞書に登録していると思うMS-IMEでもOSXのATOKでも、うつぎでもうつろぎでも変換できないし、結局わからない。


2018-10-13

_ XTC コンプリケイテッド・ゲーム アンディ・パートリッジの創作遊戯

2017/11/27という微妙な時期に購入したまま放置していたアンディパートリッジの創作遊戯を読了。

おもしろかった。

リアルタイムにはそれほどXTCの良き聞き手ではないどころか、XTCだとコリンムールディングの曲(頑張れナイジェルとか)以外にはまったく興味を持てなくて、アンディパートリッジのプールにダミーが浮かびまくっているソロとか買って1回聞いただけでディスクユニオンに売り飛ばしていたくらいなのだが、tnozakiさんにブックスアーバーニングを教えてもらってから相当変わったというよりも、エレキギターという楽器の音についての聴き方がわかってきたのだろう。最近はそれほど興味がなくもない。

それでも音よりも言葉のほうがおもしろい。

本書は、アンディパートリッジに対してワシントンDCのミュージシャン/ジャーナリスト(クリッシーハインドもそうだが、ジャーナリスト兼業ミュージシャンってそれなりにいるのか、特殊業界なので餅は餅屋にしかわからないところがあるのか、っていうかプログラマー/テクニカルドキュメントライターと同じ道理か)のトッドバーンハートという人が電話インタビューで自作曲を語らせたものをまとめたものだ。

抜群におもしろい。

おもしろいのは3つの理由があるからに思う。

まずアンディパートリッジっという人間がユーモアとセンスがあるから言葉がおもしろく(ってことは訳業も良いのだ。太田晋という人)、受け手のトッドバーンハートが同調的だからだ。

次に、優れた時代史となっているからだ。

そして創作の秘密や裏側は常におもしろいからだ。

それにしても、どの曲のどのコードをどういじってこうしてこうやったらこうなって、それをプロデューサーのトッドが勘違いして調性を間違えたところにもってどうしたこうしたみたいな話がつまらないわけがない。

XTC コンプリケイテッド・ゲーム アンディ・パートリッジの創作遊戯(アンディ・パートリッジ/トッド・バーンハート/太田晋)

まったく当時は知らなかったが(ホワイトミュージックの構図をそのままスランにあてはめた表紙画があるからまったく気づかないわけでもない)、森脇真末味の緑茶夢の後半のエピソードはまさにXTCがモデルになっていたのだなと、セカンド作成時のキーボード奏者との主導権争いの箇所を読んでいて懐かしく思った。

緑茶夢(グリーンティードリーム)―スラン (小学館文庫)(森脇 真末味)

(サイケ時代の(ドアーズやシドバレット時代のピンクフロイドあたりに着想したらしき)水野英子のファイアーといい、自分たちをモデルにした同時代的な優れたバンドマンガが東の果てで作られていることを彼らは知っているんだろうか)

インタビューの中でおもしろタウン出身と散々語られているスィンドン(距離から日野/八王子とか、川口/大宮みたいなもんか?)についてのジョンモリッシュという人の散策文学っぽい前置きも抜群におもしろかった。


2003|06|07|08|09|10|11|12|
2004|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2005|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2006|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2007|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2008|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2009|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2010|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2011|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2012|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2013|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2014|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2015|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2016|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2017|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2018|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|

ジェズイットを見習え