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日々の破片

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2003-07-12

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好きな言葉に、犬が吠えても歴史は進むというのがある。もしからしたら歴史は続くかも知れないが。はるか昔に、確か、日共の御用学者か御用ジャーナリストかどっちかが、(南京大虐殺だと思うが)保守側の御用学者か御用ジャーナリストの書いた、幻モノか何かに対して、そうレッテルを貼って吠えたんだと思う。あるいは、(当時のモノ言いとしての)トロツキストに対して吠えたのかも知れない。どちらにしても、側から側へのレッテル貼りなので、それそのものはどうでも良いことだ。

しかし、言葉としての「犬」「吠える」「歴史」というのが、「月に吠える」というような詩的な語感ではない、妙なリアリティを持って結合しているのが気に入って、好きな言葉になった。

昨日のデジクリに、十河さんが書いていて(この人の死ぬほど感傷的な−を意識して書いているようでもあり−エッセイはなんとも言えない読後感があって辛いのだが)、そこにアンドレ・ジイドからカポーティが教えてもらった「犬は吠える。しかし、キャラバンは進む」という砂漠の民の言葉から、カポーティの「犬は吠える」の題が取られた、と書かれていた。

カポーティについては、いろいろ思うところもあるが、知ってる人は知ってるように、80年ころはティファニーを除いてほぼ全滅状態になっていたため僕も「犬は吠える」は読んだことがない。そこで、それは知らなかった。

で、多分、砂漠の民が出典で、そこからカポーティ経由で御用学者(またはジャーナリスト)が、より直截的な表現にしたものを僕が目にしたということだろう。思わぬところで、オリジナルが見つかるというものだ。

もっとも、「萬犬虚に吠える」というのもあるし(こっちは右側の誤用学者モドキの著、むしろ、「番犬虚に吠ゆ」じゃないかとか。番犬が吠えたのは教科書問題で、萬犬が吠えたのも教科書問題でバランスが取れてる)、しかも、なぜか、関連して「幌馬車隊に……」とすっかり西部劇になってしまったモノイイ(多分、カポーティ=米国人のキャラバンという言葉の意味から、ジイドを無視して幌馬車隊に転化したんだろう)が見つかったり(砂漠の駱駝幌馬車隊を日本語化するなら隊商というべきだろう)、楽しい。何が楽しいかといえば、側に関係なく使える便利な言葉で、多分、みんなが好きな言葉だということが見えるからだ。

ただし、腐れ学者モドキが、なぜ腐れているか、モドキなのかは、せっかく犬に吠えさせても、これっぽっちも、自省が見えないところにある。単に「犬が吠えても……」と言えば、そこには「お前は犬だが、おいらも犬だ。ばかですねぇ」という味わいがあるが、「萬犬」といっちゃうと、「俺様人間様が、世間に巣食う全ての犬共に」ということになってしまうからだ。まあ、番犬と萬犬は排他な存在だからしょうがないが、どうして、こういう言葉を選ぶのかは興味深い。

単に「犬」を使えば、それは対象かも知れないし、その言葉を発した側かも知れない。「犬は吠える」という本なら、著者が犬かも知れないし、取り上げた内容が吠えている犬についてかも知れない。仮に著者が徹底的に相手を罵るつもりであっても、読み手にはどうとでも受け取れる。「強い力に対して犬が一所懸命に吠えてますね(暖簾に腕押しとか、誤用での流れに棹差すとか)」または「そうは言ってもそれは犬が吠えてるだけですなぁ」か。普通は、それを狙う。なぜ、狙うかと言えば、相手を犬と言う呼ぶのは、まともな人間はやってはならないことだからだ。したがって必ず、自分にも跳ね返るような仕掛けを設けなければならないのだ。

しかし、「萬犬」と複数にしてしまえば、そこに著者は含まれない。本気で、相手を犬扱いしてるんですな。

ようするに、人間様を犬呼ばわりしているわけで、腐れとかエセとかモドキとか番犬とか呼ばれてもしょうがないというわけで。

つまり、犬が吠えるという言葉からは心象がはっきり形成されるというわけで、それくらい、犬が吠えるのは近所迷惑だということだ。もっとも犬を飼っても歴史は進むわけで、どうでもいいんだが。近所に居なければ(+自分で飼うのでなければ)、ということだろうけど。と矮小化してみたくもなるが、実際の心象はまた違うんだな。

裏の畑で吠えて大判小判がざっくざっくざっくざくなら、より幸せだ。

_ 初めてXXXで利益を出せたら

利益じゃなくても、初めて何かしてお金を得られたら、でもいいんだけど、フツーは嬉しいよね? 違うかなぁ。どうでもいいけど、ここでは嬉しいもんだと仮定する。

だったら、どっかにその嬉しさってものを書いときたいやね。

というわけで、3月くらいに360円くらいの時買った富士通株2000株ほど、550円くらいのときに売却して利益を得た。初めて(投資信託含め)、証券会社から渡した以上の金額を得たのでメモしておく。

賞与の激減額の補填として、これで夏休みの旅行ができるだろう。

_ 常にオルタネイティブを考える

そこには14〜15歳の先輩(達)が待っている。で、お前は12歳だからお前がすべてやったってことだよな、それ以外のこと喋ったらどうなるかわかってるよな? まあ、テストの成績がいい優等生だから、そんなことは知ってるよな?

が、絶対に0%とわかるまでは、少なくても長の字が付く人間が、情動的でかつ煽動的なモノイイをすべきではなかろう。世の中には可能性とか不可知とか闇とか知らない人間もいるはずだから。

_ 水に落ちた犬はどうか?

人間様を犬呼ばわりするのは、まともな人間のすることではない。では、水に落ちた犬はどうか? これは自他ともに認めるようにハナから力量が違い過ぎているので、逆に人間としてしまうと、危険が待っている可能性があるからだろう。例え話でしかモノを語れない時代や背景には、それなりの語り方があっても許容されるとは思う。


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