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以前書いた『町工場・スーパーなものづくり』だが、今日は今日とてこんな条りにしびれた。
NC旋盤機をはじめとしてME工作機械が導入された当初は、「けっ、ハンドルがない道具を使えるかってんだ」っていうような職人からの軽蔑と、「おー、これで高い金払って熟練工を雇う必要ないですなぁ」っていうような企業人の期待ってのがあったわけだが、ところがどっこい、実際に使っているうちに皆、わかってきた。これは、熟練労働者が使えば使うほどより優れた結果が生み出されるのだ、と。(もちろん、どうでも良い仕事なら、素人に毛が生えたような職人でも使えるという面はある)
で、実際に、工場に要求される加工とかは、どんどん精度も上がり、複雑になり、ようするに機械や素人のような連中には作れないものになってきた。だから、熟練労働者がME化された機械を使うのが重要だってことだ。
――要約
それって、OOPLですか?
「てやんでぇ、いちいちvtbl経由(メソッド名探索でも良いけど)でcallできるかってんだぁ」っていう声と、「これで再利用性でウマーですなぁ」のことですか? でもどうだい、蓋をあけてみると、誰がそれをうまく利用できるのかとか。
あるいは、ロボット化工場がうまくいかなかったあたり(70年代のことかな?)
そりゃ、ロボットは正確に文句も言わず飯も食わず作りつづけることができる。しかし、100万個作っても同じものだ。
人間様は、1000個も作らされりゃ、しまいにゃうんざりして工夫を始める。その結果、これまでとは違ったものが生み出される。もっとうまい方法も出てくる。
永遠に同じモノをこさえてりゃいいんだったらそりゃロボットで十分だろう。しかし、永遠に同じモノこさえていたら、そりゃだめだろう。
――要約
あるいは、目からウロコの流れ板じゃなかった、流れ工の条り。
肩から道具袋ぶら下げたイナセなお兄さんが工場へやってくる。
「へぇ、悪かない仕事場だな。ここで働いてやってもいいぜ」
「ちょっと待った。ウチは仕事にゃ厳しいよ。まずは、なんちゃらを削ってみな」
「へ、なんちゃらじゃ物足りねぇから、なんちゃらちゃらでもいいかい?」
「できるもんならやってみな」
「お安い御用だ……ガリガリガリ……ほれ、どうだい」
「おー、是非とも働いてってください、おながいします」
てな調子でやって来て、
「困った、困った」
「どうした親方」
「こんだの注文は、星型のやつがこうやってこうやってピタッとくっつくってような注文だ。断るしかないよなぁ」
「ふーん、そいなら、こないだ働いたことでやってみた、アレでいけそうだな、ちょっと待った……ガリガリガリ……こいつでどうよ?」
「どれどれ?――キタッー! じゃ、早速注文を受けてくるわ」(退場)
「じゃ、おまいら、おいらが教えてやるから、ここに集まれぇ」
「ふむふむ」
それまでその工場じゃできなかったような技術を伝播してまたふらっと去って行く。
こういった風来坊のような流れ工が、結果的に最新の技術を方々に播いていったというような事実が書かれているのを見たことがない。だいたい、職人気質の気難しい、腰が据わらない……のようなネガティブなことばかりが強調されるようなので、こういう事実を記録しておく。
――要約
おいら、ここ読んだとき、なんとなくなかださんやもりきゅうさんのことが目に浮かんだぜ(実際に流れてるかどうかは知らないけど)。
なんか、読めば読むほど、たとえば、レヴィのハッカーズとかに通じるものがあっておもしろい。
Seasarのからさわぎに参加させていただきました。
個人的にはSeasarでのAOPの扱いに1番興味を惹かれましたが(Seasarとは関係なくIoCコンテナについては、意味はわかるんだけど、判断はまだ留保しているのだが、それがなぜかは全然、考えがまとまっていない。もう一越え、何かがあるような気がするってことなのかな)、それ以上に、はてなダイアリーによる繋がりというものにいろいろ考えることがありました。
はぶさん、ひがさん、まさたかさん、高井さん、熱い一日をどうもありがとうございました。
追記:ITProにレポート(? 後述)を書かせていただきました。
?の理由: すみません、へたれです。「からさわぎ」という名前は使いませんでした。Seasarだけで完結させずに、権威によりかかる手法も使ってます(もうちょっと言い方を変えると有名なものを引き合いに出す手法ーーこれは潮流を示すという意図もあるわけですが)。しかし、一番の問題は、うまくおさまらなかったため、開発者のひがさんのお名前が出ていないことです。ひがさん、ごめんなさい、今度はもっとうまく考えます。
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いえいえ、何の問題もありません。取り上げていただいてどうもありがとうございました。