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夏だ暑いぞ怪談だ。
子供の頃は夏になると、神経重ねが負値(面倒だからまじめに変換してやんないが、確かに負値かも)とか東海道四谷怪談とか、打つのや峠とか(打つのや峠ってあんまがもんでもんでもみ殺すやつだったっけな?)本所七不思議とかをテレビで見たもんだが、今は見ないんだろうなぁ。ボタン動労とか(ボタン動労か……動労と国労、なんでこんなのが一発変換できるんだ? もう存在しないんだろ?)とか。
まあ1番おっかないのはやっぱり四谷怪談なんだろうが、もみ殺されるという恐ろしさ(たとえば床屋のギロチンみたいなものだ)を想像すると打つのや峠(いい加減に不快になってきたので、実際のところを検索してみると、
なんと、浸透法(しかし面倒くさいな、もちろん新東宝)が制作してたのか。
といっても全然覚えてないんだけど、多分、小金をためた按摩を不良侍が夜道で叩っ斬ってお金を頂いてお大尽遊び(多分、女性に按摩させるとか)をするんだろう。当然、畳の部屋でくつろいで寝っ転がりんこするりんこしていて気持ち良く腰を揉ませているといつの間にやら耳元に生臭い息がかかる。なにごとか? と思うが体は揉まれているにもかかわらず、かちんこちんの硬直状態。どこが? もちろん全体が。しかも揉む手に力がこもるが、なぜか汗をかいているわけでも冷たい感じ。揉まれれば揉まれるほどますます固まってくるは冷たくなってくるは、これいかに?
うぬ、何ヤツ?
すると耳元の生臭い息が切れ切れに、「へへへ、あっしですよ、按摩のトクイチ(というような名前と相場は決まっている)でございますよ、だんなさま。これからあっしがだんなを揉んで揉んで揉み殺してさしあげましょう。へっへっへ……」
うぬ、血迷ったか!
「さようでございますよ、だんなさま、あっしはまだまだ他人様を揉んでさしあげたくてしょうがないのでございますよ。それがこんなことになってしまったせいで成仏できないのでございますよ。だからあっしが成仏するためにはだんなのことを揉んで揉んで揉み殺してさしあげなければならないのでございますよ」
あー、恐ろしい。
揉み殺すって、どうやりゃ按摩で人を殺せるんだろう。いったい何ヶ月くらいかかるんだろうか? こんなことなら、一思いに殺ってくれぇ、と叫びたくても声は出ず、ただただ、なすすべもなく腰を揉まれながら今日も宇津野峠の夜はふけていくのであった。
人間にもそのてのスィッチがやっぱりあるんだろうか。生物なんだからあるんだろうと考えたほうが素直だ。では、それはなんだろうか? 5感とは関係なさそうだ。攻撃開始のスィッチが子供を育てることで、攻撃停止のスィッチが子供の声というのはおもしろい。
人間の心を読めるため、絶対に攻撃を受けることが無い無敵の忍者、その名は大摩のガロ。最初は鬼のような殺人兵器だったのだが術を極めるにつれ、誰よりも心優しい漢となる。しかし、服部軍団はそんなガロをつけ狙う。しかし、並の忍者では心を読み取るガロに敵うわけがない。
そこで探し出したのが同じく通心術を持つ露木道人だ。同じ術者がいると聞かされて露木道人も技術者的な興味にかられて服部半蔵の依頼を受けることにする。
お互い心を読む術者同士、顔を合わせた瞬間、同じ能力を持つことを悟る。術は互角、体力も互角、技も互角……しかし膠着状態の中、ガロは考える。「たった1人のワシと、依頼を受けたオヌシ、立場が違うわ」「なるほど、ワシが不利か……」と露木道人も考える。が、どちらも超一流の技術者同士、ここで闘わなければ腕の見せ場は無い、とばかりにくそまじめに戦闘を開始しようとするわけだが、まさにその時、物陰から見物していた服部半蔵が、「待てよ、露木道人がガロを倒しても、露木道人が第2のガロとして我が軍団を……」とか考えてしまったために、露木道人とガロは無言のうちにタッグを組んで服部軍団を蹴散らすことになる)
「あやうく、ワシの通心術、曇らされるところじゃったわ、礼を言うぞ」と立ち去りながら考える露木。
というような、主人公を作ったのは良いが、歴史は無常だ。なぜなら天下を取るのは徳川だから、服部軍団が勝利しなければならない。
困り果てる半蔵の前に現れたのは謎の坊さん、その実態は根来忍者だ。
「ワシがガロを仕留める」
……ガロ、おぬしほどの術者が……。ガロの敗北=死に呆然とする四貫目。根来忍者の術とは?
というのを思い出したのであった。
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