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単なる夜のドライブでも、主人公が「私は恒星間飛行をして……」とナレーションすればそれは恒星間飛行なのだ。
(サラ金のCMで引用していたな)
というのを思い出させてくれるのが、新湘南バイパスだ。
特に21時過ぎ。
真っ暗だ。藤沢のあたりにほんの申し訳程度に立っている他は道路灯がない。しかしカーブが多い(非常に妙な道路で、国道1号から入った瞬間はえんえんと直線なのだが、茅ヶ崎中央あたりから左へ左へカーブしていき、茅ヶ崎西でこんだ、右へ右へカーブしていく)。走行している車は非常に少ない。だから、リアランプを頼ってトレースすることもできないし、当然のように速度も上がる。だからか対向車はみんなハイビームで通り過ぎていき、目を射抜く。
街の明かりもほとんどないし、途中マンションを1個通り過ぎるほかは、道路を越えているのは煙突と妙な鉄骨群だけだ。この鉄骨が奇妙だ。クレーンでもなければ煙突でもなく、意味のある建築物とは思えない。一体なんなんだろう?
街明かりは遥か下に時々煌く程度で、空は黒い。
かくして独りごちる――恒星間飛行と。
「光のように速く弾くんだ、出来る限り速く、軽く弾けば、太陽にまで飛んで行ける」。(あいつとララバイの飛行場のシーンのようだな――おれのバイクは空を飛べるんだ)
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