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情報隠蔽というのはプログラムの堅牢性についての概念で、カプセル化というのはプログラムの構成管理の容易さについての概念で、異なるものだ。
で、どうしてごっちゃにされることがあるんだろうか?
カプセルという言葉の印象に、殻に包まれた状態を想像させる何かがあって、それが内部を見えなくしているように感じさせるからかな。
おそらくカプセル化は非常にわかりにくいのだろう。言葉がカタカナでしか表現できていない点からあまりなじみがない概念に見えるからかも知れない。
でも日本にカプセルに相当する概念が無いということはない。
幕の内弁当なんてまさにカプセル化だ。主食とおかずと付け合せが同じ容器に入っていることで、盛り付けが規則化(=単純化)され、運搬が楽になり(重ねて複数個運ぶことができる。皿にわけたらそうはできない)、食べる側は同時にすべてが供給されることで待たされずに済み(弊害もいろいろあるが)、洗浄も局所化される。
煙草盆なんてのもカプセル化の良い例だ。喫煙に関するすべての情報が集約されている(火、灰、小物、煙管など)。
むしろ、関連するものを一箇所にまとめることが、あまりに当たり前のことなのでまさかそんな自明なことを概念として提出しているとは考えることができず、別の意味をくっつけてしまったと考えるほうが自然かも知れない。
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