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レーザーディスクプレイヤーが届いたので早速見る。
最初、えんえんと(ほぼ)無音状態が続くのでちょっと不安になったり。
しかし、何度見ても(というほどは見ても聴いてもないが。ベームのレコードとか、ベルイマンの映画版とか、このサバリッシュ版のLDとか、全部1回ずつくらいだし)無茶苦茶な話で思わず笑ってしまったり。
最初大蛇に追っかけられて「お助け—お助け—」とタミーノ(これが民野という名前の日本人だというのは定説になっている)が逃げてくる。あきらかに、優男金と力は無かりけりの典型のような男で、事実3人の侍女もそういう言い方をしている。ところが途中から勇気に満ちた男として扱われてパミーナを救出することになる。何時の間に性格が変わったんだ? それはそれとして、なんでパパゲーノが自分が退治したと言い出すことになるのか忘れていたが3人で恋の鞘当をするからだったのか。
で、侍女がいなくなるとパパゲーノ登場。実にいい感じだ。
で、陽気で楽しくやっていることろに侍女が再登場。タミーノは絵姿に一目ぼれして恋の唄をえんえんと歌う。まあ、有名な曲だが個人的には退屈なんだが。
で、夜の女王の出現シーンは山が割れるからかっこいいんだね。でグルベローヴァの声が(姿も)実に美しい。コロラットゥーラソプラノってそれにつけても化け物のような存在であるな。で、切々と子供を奪われた母の心を唄う。うまい。
でムームームーがあって、最後は全員で嘘つきは良くないから正直に生きようとお説教ソングを大合唱(思わず笑ってしまうわけだが)してまずは幕。それにしても、この舞台だと黄色いレンガの道ではなくザラストロの城への案内の3人の童子が女性でしかも全員が青池保子のエーベル大佐のような顔の長い連中だったり(追記:大嘘。今、パミーナの自殺を止めるシーンを見てて気付いたが少年隊ですな)。
怪物あり、恐怖あり、勇気あり(3人の侍女の退治の唄)、嫉妬あり、陽気あり、恋あり、母心あり、教訓あり、でなんでもかんでも詰め込んでいるから、まさに御伽噺であるなぁ、とか。
このあとは黒いやつ(アラビアンナイトでもそうだが、ムーア人っていうのは実際はなんなんだろう)は邪であるといったドグマが出て来るんだが、魔笛がちびくろサンボみたく問題視されたのは見たことないな、と思ったり。というか全編好き勝手なことを脈絡なくつないだだけだから問題になりようもないような。まさに大衆娯楽の王道のような作品で、クラシックの殿堂に入れとくのはもったいないが、後半ますます説教くさくなるから(で、これ以上はご免だ、と思わせるたびにパパゲーノが登場して楽しませてくれるわけだが)それはそれでいいのかも。
それにつけてもパパゲーノがさっさと城に忍び込んでパミーナを助けているのに、タミーノは役立たずにも城の前でうろうろして呑気に禅問答したりしているシナリオの馬鹿っぽさは楽しいな。
この3日くらいで、5回以上シャウトトゥザトップを聴いたぜ。
というのは、どうも携帯の着信音をこいつにしてる人間が少なくても5人はいた勘定だ。
さすがに不思議になって昨日飯食ってるとき横にいたやつに聞いてみた。
なんで今頃スタイルカウンシルなんだ?
と、思わぬ答えが。そいつも良く知らないようだがなんかの朝のニュース時間のテーマソングになってるらしい。
ふーん、エバーチェンジングムーズ、イエーイ
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