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という諺がおフランスにはあるらしい。ってのは、ロメールの満月の夜の諺がそれだからだが。
リベットの北の橋では幻想のドラゴンに挑む空手使いだったパスカルオジェが、ここではデザイナーかな(忘れちゃった)、何かおしゃれな職業婦人(っていつの言葉だ)の役をやっている。で、郊外に家を持つのだが、夫はそれで満足らしいがパスカルは満足できない。ナイトクラビング(これも死語かな)が好きだからだ。というわけで、パリにもアパルトメント(アパートじゃないな)を借りることになる。かくして、2つの家の喜劇が生まれるんだけど、本当に喜劇なんだろうか。
この映画でびっくりしたのは、それまで映像と無関係な音を使っているのを見たことがなかったロメールの映画で(バルトークを弾けばバルトークが鳴るわけだが、北京のバイオリンみたいに幻想の交響曲が鳴るわけではなく、話せば話した声、車が通れば車の音、音に関してはストイックというかリアリストというか、なのだ)、(僕が見た中では)はじめて音楽が鳴ったことだ。だからそのシーンは非常に鮮明に覚えている。ロジェバデムの息子になんぱされて、タンデムでパリを走るシーンだ。レナートベルタの青い青い映像(ロビンミューラーも青い青いが)がとってもきれいなのだ。しかし、満月の夜に眠れない人々には平和な夜明けはやっては来ない。結局彼女はもうひとつの家を失うことになる。結構意地が悪い映画なのだが、それも含めてロメールの映画というのはそんなものだ。比較的現代的な風俗描写が多いことと色の青さから、まるでナイルの娘みたいな異色作かもな、とか思ったりもしたけど。突然、「市長さんお話があるの」、というニャンクン(家庭内方言で小生意気な小僧――タイニーチューンに出てくるめがねをかけたトゥイーティーみたいな小鳥をなぜかそう呼ぶが、ここでは単に生意気な口をきくかわいい女の子の意味)の台詞を脈絡なしに思い出したが、それは別の物語だな。
困ったことに、僕にも2つの家があることに最近気づいた。というか、わかっていたのだが、それをうまく両立させることがいかに困難化ということにやっと気づいたというべきか。
1つは普段使っているWindows2000のマイドキュメントで、もう1つはPowerBookの/Users/の下のやつだ。っていうか、/homeの下じゃないから家とは言えないかも。
ちょっと前にはそれでもうまく両立していたのは、どこに行くにもPowerBookを持ち歩いていたからだが、ここ1ヶ月で本来の状態に戻ったため、PowerBookを開く頻度が確実に減ってしまった。で、何がまずいかというと、PowerBook用のメールアカウントと、Windows2000用のメールアカウントを分けていたことだ。そのため、PowerBook用に設定したメールに全然目を通していなかったり。
どうしようかな。(というか結論は決まりきっているのだが)
Windows3.0a(とか昔のことを言い出したり)には、カーソルが2つあった。っていうか、今もあるけど。というわけで、単にカーソルというとわけがわからないよなぁ、と思っていたら、WindowsAPIを見ると、どうも今までカーソルと呼んでいたコンソール上で点滅している四角いやつ(Windowsのデフォルトだと縦棒だけど)のことをキャレットと呼ぶようになっていて、おなじみの言葉のカーソルはマウス用になっていて、かつそれは混乱の元だからと、マウスカーソルと接頭詞を付けた呼び方も書いてあったり。CreateCaret
とかHideCaret
とかが、そのAPIだ。
で、なるほど、よくわからんが今までカーソルと呼んでいたものは、これからはキャレットと呼ぶのですな、と素直に育ってここまできたが、今日、はじめてキャレットの意味がわかったぜ。
極東ブログに、すごくわかりやすい図付きで書いてあった。校正で使うあれのことなのか。……なんか違和感があるんだが。でも、挿入点を示すという意味では正当なんだろうな。では、カーソルとはなんだろう? (と疑問に思ってもそのまんまなわけだが)
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