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プログラムはプログラムだからどこにも疑問の余地はない。
でも、ソリューション、サービス、アプリケーション、システムという言葉は便利過ぎて適当に使える。
このうち最初の2つはプログラムを後置できないところが多分、ミソではないだろうか。後の2つはプログラムを後置すると対概念っぽく見える。
あるコンピュータをハードウェアとソフトウェアの2つに分割した場合、ソフトウェアはアプリケーションとシステムに2分割できる。この場合のシステムというのはOSのカーネルやデバイスドライバーだ。ではたとえばXはシステムプログラムなのかアプリケーションプログラムなのか? グラフィックドライバーやネットワークシステムプログラムから見れば上位にあるからアプリケーションプログラム、でもXeyeから見ればシステムプログラムだ。
ソフトウェアはレイヤーに分かれているのでアプリケーションとシステムという見方は相対的にならざるを得ない。したがって今となってはそれほど意味のある区別がつけられないように見える。しかもプログラムというのが単一の実行(むしろロード)単位として利用されるようにモジュラー化されているため、アプリケーションの中にシステムもあればシステムの中にアプリケーションがあることもある(ように見える)。
システムというのはこれまた便利な言葉である。Wordはアプリケーションであってシステムではない。でも、Officeはシステムと言えそうだ。つまり結合されて全体として何かの機能を提供するものはシステムと呼ぶことができる。
そこでより抽象化してしまって、ソリューションとサービスと呼ぶほうが具合が良いということだろうか。
この場合、ソリューションというのはほとんどの場合、システム化されたアプリケーションを意味するように見える(が、その下にはハードウェア構成や運用までもカバーしている)。そのように見ると、Officeソリューションと呼ぶことも可能だ。
でも、Officeサービスとは(多分)呼ばない。
ではサービスとは何かと考えるとWebサービスという使い方が典型だろうが、ソリューションの一部かも知れないが、その外部にあって呼び出して利用する別のソリューションと考えるとしっくりするように思える。だが外部、内部というのもまた相対的なものである。
サービスとソリューションはむしろ所有の有無や制御権の有無に関する分類かも知れない(そもそも、その2つを対概念として考えなければそれまでだが)。
というようなことを、ソリューションを考えながら考えるのであった。
アマゾンアフィリエイトの良い点の1つは知らない本が買われることで自分の知識が増える点だ。
で、興味を惹かれたのが
Software Estimation: Demystifying the Black Art (Developer Best Practices)(McConnell, Steve)
タイトルを直訳すると、「ソフトウェアの見積もり:黒い技法を詳細解説」という感じ。結構売れているようなのだが、全く知らなかった。というかThe Black Artとはなんだろう?
(後でMSDNで調べる予定のメモ)
調べた:
Software Estimation: Demystifying the Black Art
Often referred to as the “black art” because of its complexity and uncertainty, software estimation is not as difficult or puzzling as people think. In fact, generating accurate estimates is straightforward―once you understand the art of creating them.
複雑さと不確実さからブラックアート扱いされているが、そう思われているほどは難しくもなければこんがらがっているわけでもない、ということか。
といわれても、普通はそりゃそうですな、とは納得しないから本になるのだろけど。
ただ、real-worldという言葉の適応対象が、Wordみたいなシュリンクラップだと、そんなに役には立たない(とは言い切れないとも思う)わけで、どういう分野を想定しているんだろうか、というのはよくわからない。
ジェズイットを見習え |
> Software Estimation: Demystifying the Black Art<br><br>あ、恐らく僕が注文したものです ^^;<br><br>"Demystifying the Black Art"は「黒魔術のベールをはぐ」といった<br>くらいのニュアンスでしょうか。<br><br>著者は"Code Complete"のSteve McConnell、発売は2006年3月の予定。<br>この本、昨年の10月末から11月末に公開レビューが行われたのですが、400名以上がレビュアーとして参加したとのこと。<br># 実は僕も入っていました :-)<br><br>内容について簡単に言うと、(適用分野にあまり依存しない)汎用的な見積もり方式(過去のデータを利用した方法、統計的手法、機能分割に基づく方法、などなど)と、それらを組み合わせていかに精度を上げていくか、さらに具体的な作業へどのようにつなげていくか、という感じ。<br>ただ、ここに書かれている内容を知れば十分である、というわけではない、というのが悩ましいところではあります(とは言え、これらを[使うか使わないかにかかわらず]全く知らないまま、というのはやはり困るという気も)<br><br>詳しい内容については本の到着した後で書く予定です……多分。
>恐らく僕が注文したものです<br>それは、どうもありがとうございます。<br>それはそれとして、Code Completeの人……いろんな意味で凄い人ですね。<br>>本の到着した後で書く予定です<br>その時は是非、読ませてください。