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日々の破片

著作一覧

2006-03-13

_ 独裁者のあるべき姿

なんか最近ポルトガルが気になってしょうがないのは、少子化先進国だったりするからか、それともユーラシア大陸の東の端っこが西の端っこに興味を惹かれるというような地理的な感慨なのか、それはともかく、ポルトガル最後から2番目の独裁者のアントニオ・セラザールについてのウィキペディアの項目がおもしろ過ぎる。

たとえば「私生活」。わずかこれだけ。

私生活は謎に包まれていた。孤独を好み、素性の知れぬ2人の少女と暮らし、フランスの女性ジャーナリストが愛人だったという噂もある。

奥様、「素性の知れぬ2人の美少女と暮らし」ですよ。しかもそれが単なる「噂」。

その最期もまた、ドラマティク。昏睡状態の重態に陥ったものの2年後に覚醒。そして

そのころには政権がカエターノの手に移っていたため、彼の側近や身の周りの人間たちは、彼にショックを与えないため、その仕事場を病態に陥る以前と同じ状態に保全し、のみならず当時のポルトガルの動乱のことなどは一切記載されない偽の新聞を読ませ、サラザールが権力を喪失した落胆に見舞われないよう配慮した。甲斐あってサラザールはポルトガルの混乱を知らないまま、幸福に世を去ったという。

まったくもって

グッバイ、レーニン! [DVD](ダニエル・ブリュール)

しかもこの人、出自は経済学教授でデフレ政策でのしあがったんだったりして。

#ウィキペディアのポルトガルの項目は2人の大映画作家が抜けているのが気になる。オリヴェイラとペドロ・コスタだ。

ヴァンダの部屋 [DVD](ヴァンダ・ドゥアルテ)

(ちゃんとDVD化されているのか)何しろ落ちてしまったので3/5(1/100とか書いているがいくらなんでも白髪三千丈)くらいしか見てないので購入予定。生活する廃墟、ノイズ、天井から降りかかる塵埃、壁の裂け目からの光、咳。顔。おお、ちゃんと映画を覚えているじゃないか。

_ パーソナルコンピュータを予見する

Bob Kahn: TCP/IPの父いわく、「IPアドレスを32ビットにしたのは……」

ううむ、おもしろい。

どう計算しても、256という数字は、はるか彼方にあるように見える。ところが私たちがすっかり見落としていたものがあった。パーソナルコンピュータの出現というものを全然予想していなかったんです。

クラスAのことだな(というかクラスが既に死語になってるんだっけかな、とか)とか思いながら、それは確かに1人1人がコンピュータを持つなんて考えないよなぁ、とか想像してみたり。で、その後Altoに言及して、すぐわかったと言っているのがクラスB以降というかクラス分けという概念の導入のことなのかな、と想像してみたり。オクテット単位のクラス分けからビット単位のサブネットマスクによる分割になったのっていつ頃だったっけ? とか気になって調べてみたり。

いずれにしろ、このボブカーンのインタビューは作った人間が現在の視点から見直して語るという点、語っている人間が過去の作業の評価に冷静(自分が手がけたものの短所を認めなかったり触れなかったりする人はいるわけだが、そうではない。IPv6への移行の困難をお任せモードで語っているところが逆にまた良い)という点でも価値が高く示唆に富んでいる。システムを作る人は、こういう知見をできるだけ多く知っておくべきだろう。

それと同時に、僕は福盛さんのフィルター(日本語化と抜粋個所)を通して読んでいる(視聴ではなく)のだが、これができる(=福盛さんが訳して抜粋してくれている、かつ読んでいる僕がその抜粋と訳に信頼を置くことが可能)というのは非常にありがたいことである、と感謝。


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