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日々の破片

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2007-01-27

_ 宮城前

みやぎまえだと思ったのは、忘れもしない中学生のころだ。

アルフレッドベスターの虎よ虎よを読んでたら(中学の入学祝いに買ってもらった早川のSF全集にのってたのだった。その頃はベスターは分解された男が創元文庫に入ってただけで、ポケットブックのほうは絶版状態だった。例によってSF事典に載ってて読みたかったのだな)、最後、時空を越えまくってそこらじゅうに虎が出現してくるわ、タイポグラフィがカリグラするわ、のクライマックスのところで、虎が宮城前にも現れるのだった。

虎よ、虎よ!(アルフレッド・ベスター/中田 耕治)

で、それをみやぎまえと読んでとっても疑問符が浮かんだりするくらい、その頃でさえ、すでに宮城前は忘れられた場所になっていたということ。

というか、おれは、二重橋前という千代田線の駅名を知っているが、幻影のように手前に下の橋、後景に上の橋、そこに白馬にまたがる大元帥なんて光景が演じられていたところだなんてまるで知らなかったし、それどころかどう記憶をたどっても二重橋そのものを見たこともない。

それにしても中田耕治はなぜ皇居前ではなく宮城前という訳語を選んだんだろう、なぜベスターは宮城前を選んだんだろうか。

というような疑問に対して、サンフランシスコ平和条約の前には、多国籍軍だの米軍だのが頻繁にパレードをしまくっていたから(おそらくベスターはその印象を持っているに違いない)だったり、警察の誘導によって共産党員が虐殺されるまでは別名人民広場と呼ばれて10万人規模の大集会が開かれていたり、それよりも天安門前広場よりも巨大な大広場だという事実であるとか、愛の広場と呼ばれる丸の内の若者ののどかな享楽の場であったり、というようなことは物心ついた経済成長期にはすっかり歴史の闇に呑まれていたのだった。

皇居前広場 (光文社新書)(原 武史)

いや、それよりなにより、びっくりしたのは、灘波大助の襲撃が、おれの想像とまったく異なる風景の下で行われたということだ。広場じゃなかったのだ。おれは、まったく異なる風景を想像していた。広場を車が走ってくる。そこへ向かってステッキを持って駆け出すテロリスト。ぜんぜん違った。

震災を逃れた数千という都民がテントやバラックで大貧民窟というか難民キャンプというかを広場に展開していたおかげで、灘波大助は車に近づくことができたという話。そこを難民キャンプとして開放することを認めたのが摂政その人だったということ。

その摂政は、1坪ほどの台の上に雨に打たれてコートも脱いで8000人の行列が通り過ぎるまで4時間弱を直立不動で手をあげて見送る演出を自分で考えて、役人が気をきかせて頭上に張ったテントを外させるとか。英国に遊学中にジョージ5世から学んだ近代における王のあり方とはどういうものだったのか、なんとなくだがわかってくる。ある種のソフトランディングを考えていたのだろうか。

まったく知らない歴史がそこにある。機関説でよろしいと言うだけのことはある。

それにしても、オリンピック通り沿いの小学校に通っていたおれは、お召し列車が駅を出るときは、学校のアナウンスがあるからそれとわかって、友達と沿道で、黒い車が来るのを待って乗っている男を見たものだが、まっすぐ前を見ていたものだが、一体何が見えていたのか、どういう心境で晩年を過ごしたのだろうか。

結局は、余分で過剰で口先だけの愛国心がすべてをだめにしたということだろう。226の時に怒ったというが、その後もすべてが逆に動いていったのだろう。かくして、摂政時代に思い描いていた場所の機能を果たすこともできず、ただそこにあるだけの広場が利用されたと思ったら黛だ。

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著者は気づいていないか、それとも場についての本で音についての本ではないから言及しなかったのか謎だが、新聞記事で明治期には「勇ましい」と表現される君が代が、昭和期には「厳か」と表現されるのは、実に興味深い。明治期の勇ましいがフェントン版ということはありそうな気はするが時期は奥版が出た後なので、今の旋律のほうかも知れない。エッケルトの編曲がどういうものかわからないが、もしかすると現在(というか「厳か」バージョン)はエッケルトの手を払いのけた無名の作曲家によるバージョンになっているのかも。では、どのタイミングで勇ましい君が代が、厳かな君が代に切り替わったのか、切り替わったときにどのような評価があったのか、そいういったこともおもしろそうではある。

_ 電話番号とオプトアウト

MicrosoftのサイトからExpress Editionをダウンロードしようとしたのだが、最初にパスポートサインアップがある。まあ、これは良い。

ところが、パスポート認証の後、個人情報を入れろと言ってくる。

担当部署ごとに別名簿管理してるのかな、と思うわけで、まあ、これも良いだろう。

で、電話番号の入力欄があって、そこに赤いアスタリスク(入力必須)が付いている。

で、その下には、電話で宣伝しても良いか? チェックボックスがあってチェックされている。そんなものが昼間に家にかかってきてもまったく役にも立たない(おれは不在だ)ので当然、チェックを外すのだが待てよ? 電話番号の入力目的が、まさに今、チェックをはずした広告電話が理由だと最初のところに書いてあるように読める。で、チェックをはずすということは、電話番号を入力させる意味ないじゃん。だって、広告目的のために電話番号を入れろと書いてあるんだが、広告電話は不要と宣言できるんだぜ。なぜに、赤いアスタリスクは消えないんだ? ばかですか。

連動しろということだ。

チェックが外れていたら、電話番号の入力をディスエイブルするか、せめて赤いアスタリスクは消して、入力しなくても良いようにすべきだろう。入力目的に利用するなとこっちはチェックを外すことで宣言しているからだ。

チェックしたら、あらためて赤いアスタリスクを付けるなり、イネイブルするなりすればよろしい。

_ 目は本当に目だな

真ん中のドットを30秒注視する。視線を変えずにマウスを写真上に移動する。するとカラーの城が見える。そして色あせていく。


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