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日々の破片

著作一覧

2007-09-06

_ プログラムが好き

「プログラムが好き」とあった場合に、どのようなものを考えるだろうか。

まず、間違いないのは、プログラムを書くのが好き、ということだろう。おそらく、これは外せないと思う。ただし、現時点の大多数において、という点で。

男もすなる日記の頃、みんなですなってる中に、鑑賞に耐えうる「日記という名前の作品」というメタなことを考えてすなってハックしたやつもいたけれど、日記文学ってのはほとんど偶然の産物で(蜻蛉日記の作者が作品として公開することを前提としてたかどうか、とか)やはり家でひっそりとすなるものなんだろう。

というのが、現状のプログラムというものではないか。ここではプログラムというのは、実行可能なファイルやCDにパッケージされたソフト「ウェア」のことではなく、記述対象の部分をさしているわけだが。

日記をすなる男たちのウェアは、政略結婚にまつわる動きや税収体制や官僚機構や都市計画としてそれなりに今の日本の礎になっているけれど、日記そのものはどこかで塵埃に帰してるわけだ。

一方、男もすなる日記の作者は、すなりぐあいを読者に提示することが目的だった。

これをプログラム(上の意味から、それはソースコードの意味)を公開することに対応づけられるかも。

重要な点は、男もすなる日記には、男がすなる日記と異なり、都市計画の具体的な案件や情報合戦や対案をつぶすための陰謀や、税収を上げるための秘策やら、そういったIPに守られた部分は入れられないということだ。そのようなIPは塵埃に帰した男がすなる日記には書かれていたにしろ。しかし、それらの日記はしょせん塵埃に帰すに等しい表現でしかない(発掘された場合には、内容は問われるだろうが、表現は(文字や語彙、文法の研究対象というさらにメタなレベルを除けば)問われないだろう。

表現と内容は異なるレベルに属する。ビューとモデルか。

ソースコードを公開するのであれば紀貫之のようにありたいな、ということを「プログラム力が落ちる」から考えた。

プログラムが好き、というのは、できあがったウェアよりも、そのすなり具合を愛でる感情なのだ、ということ。

_ 自分のためではなくフェアネスのためにたたかう

ときどき、そういうことがある。

むしろ、よくないなぁと考えているものに対してそれをやってしまうことのほうが(複雑な気分になるせいで印象が強いからだろうけど)多いようにすら感じる。

だいたい、そういうことをやってしまうときというのは、相手のものの見方を信用/尊重しているためだということのほうが多いかも。それだけに、それはアンフェアであるから、少なくてもフェアに判断できるように、誤った先入見をどかしてくれ、という方向で行われる。

というわけで、スラドにわざわざ書きこんでマイクロソフトの擁護をしたりはしないのだが、人によっては「それは違うだろう」とやってしまうときもある。だいたいそういう場合、やっているうちに、しかしアンフェアな物言いされてもしょうがないなぁとか後悔しはじめたりもしてくるのだが。

でも、それは生命の危機がないから、フェアネスを発揮できるとも言える。

魯迅評論集 (岩波文庫)(好, 竹内)

フェアネスを確実に理解しているにもかかわらず、川に落ちた犬をフェアネス精神を発揮して岸にすくいあげてから説教をくらわすなんて愚者の行動だ、落ちたらこれさいわいと石をぶつけて殺してしまえ、とわざわざ書かなければならない状況の過酷さというのは、過去の歴史であってほしいと思う。

本日のツッコミ(全5件) [ツッコミを入れる]
_ いがぴょん (2007-09-06 16:07)

みんなで「すなってる中に」ってのが、もう、私の どまんなか直球勝負です! びびっと来ました!

_ いがぴょん (2007-09-06 16:08)

「表現と内容は異なるレベルに属する。ビューとモデルか。」のところが、またまた 私のどまんなかに来ました。今日の artonさんの日記、すごいです!

_ arton (2007-09-06 18:33)

どうしたんですか、突然。

_ いがぴょん (2007-09-06 21:37)

自分でも分析できていないのですが、今日の日記のノリというかタッチが、私の好みにヒットなんです。はい。

_ arton (2007-09-06 22:16)

なるほど。確かにそういうことありますね。


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