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鏡地獄―江戸川乱歩怪奇幻想傑作選 (角川ホラー文庫)(江戸川 乱歩)
江戸川乱歩の鏡地獄はとても魅力的な小説だ。読んだのは中学生のころだから猛烈うろ覚えだけど、大金持ちの子弟なのを良いことに、金にあかせていろんな趣味人生活を送りに送るうちに、鏡に興味を持つ。ついには直径1メートルくらいの球の内側を鏡にしてその中に入る。
そこで連絡が途切れたもので友人が心配して見に行くとでっかな球の中から哄笑が聴こえてくる。こりゃおかしいと扉を開けると(確か、何かのはずみで扉のノブが取れてしまって内側から開けられなくなったとかじゃなかったかな)髪の毛がまっしろけになった男が出てくる。一体中で何を見たのか、それは誰もわからない(助けるために割ったのかも)。
という乱歩の話には一切言及せずに、(もちろん、無関係に発想しても良いわけだし)、そんな鏡ボールを作って、あらしの中の人が入って目線カメラで中継するっていう番組を見た(というか、子供が見てたのを途中参加で見たのでなんていう番組かわからない。日曜か土曜の夜のどっちか)。どきどき。
鏡は難しいので、アクリルか何かで球を作って外側から反射する塗料か何かを吹き付けて作ったような。
で、カメラではわからないのだが(目が二つあるのがミソなのかな?)、あるポジションに来ると、目の前にこちらを向いている自分の像が立体的に立ち現れて、目前の鏡面にその立体像の後頭部が移るとか、なんか、えらく奇妙なものが見えたらしい。
(たまたま選んだ)前面に近づくと凹面で広がった正面像が映り、もっとも後ろまで行くと、逆転した正面像が映り、真ん中あたりでは主に2つ(背面に映った像の反射と前面に映った像)が奇妙に重なるのは、カメラで見えて、それも結構おもしろかったのだが(視野がカメラより目のほうが広いってのもあるから、上面や底への反射も見えるんだろう)、やはり目で見ないとわからないものなのか。
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