著作一覧 |
さて、なぜおれは、拙い英語力を駆使して、自分の時間を削って、Zedの記事を訳したのか?
暴言を書きまくる爽快感ってのはそれなりにあるのだが、それは別の話だ(役得だな)。
最初にまだ、コメント数が大してないときにスラドのトピックを見たのが理由だ。いや、お前ら、(誰かもコメントしてたが)ニュー速じゃないんだから、ちゃんと読んでから何か言えよ、ということだ。仮にもMongrelの作者が毒を吐きまくってるんだ。単なる厨坊やアンチじゃないんだから、何かそれなりの理由があるはずではないか(書き方は厨坊以外の何物でもないように見えるけど。ロッカーというかソウルレベルなんだろうか? だが、どうにも僕には、ある種の人に特有なユーモアに見える。ダメ会社を並べ立てている個所とか、ゲラゲラ笑いながらノリノリで書いている様子を想像してしまうのだな。しかし政治的には正しくはないのが問題ではある)。
自分でもリンクしていたが、仮にも「Mongrel 0.3.13.4 Pre-Release -- Ruby's LEAK Fixed (Death To Mutex!)」(まあ、Howdy Folks(僕の感覚だと、多分、「よう、おまいら」みたいなノリだと思うんだけど)ではじめるところが、アレだけど、そういうノリの人なんだろう)のようなかっちりした(ように僕には読める)ポストをする男が、爆発しているわけだ。
1つの理由として、技術的な行き違いはありそうだということはわかった。1.9へ歩を進めている日本のコア開発陣(diffに-pオプションが必要だということ)と、とにかくリリース版の1.8系(多分、1.8.5問題もあったので、1.8.4に居残っている連中も多いのではないだろうか)の安定と高速化を求めているRailersの間の微妙な溝ということだろう。JRubyの人が以前、日本語の壁について書いていたのも同根かも知れない。(この段落は、岡目八目で書いていることに注意。僕はこれについて、どちらの立場についても当事者意識はない。1.8系リリースに不満を持つ使い方をしていないからだ) そして、そこでRailsコアチームの中には何かMRI原理主義みたいなものが形成されていて、Mongrel作者としてワリを食わされた(それが技術的な事実か、それとも単なる思い込みかは、調べるべき人が調べれば良い)という思いがあるのではないだろうか。
別の理由として、指摘が多い点、つまりただ働きが限界を超えたということもありそうだ。しかも、そのただ働きが次の飛躍への助走に繋がらず、むしろ不快な思いをすることが多かったらしいということ。これは、Zedが相当まじめな男だからだろうと、僕は思う。例のエントリーは書き方があれだが、異様なほど、上げる/下げるをきちんと使い分けている。繊細な男だ(その意味でも、takahashimさんと弾さんが指摘してくれた、最初の僕の訳でのオビーフェルナンデスのところはまずかった)。後のことの計算がゼロということもないだろう(2回に分けてエントリーを上げたのは、反応を見るためだったのかも知れない。単に最初に書いた量が多くて疲れただけかも知れない。したがってそれはわからない。しかし以下に上げる彼の姿勢については最初の時点のエントリーからも読めるはずだ)が、400回のリスタートの件について、DHHからのプライベートメールを公開して、理由を明らかにしているところや、最後の謝辞、fastthreadを作ったメンタルガイ(すまん、僕はまったく知らない)に対しての賞賛、これらから読み取るべきことだ。
一言で言えば、Zedはあまりに技術的で、ストレート過ぎるのだと思う。彼が「いいやつ」と表現する場合、彼が「金を寄越せ」と表現する場合、両方に漂うマルビ(こんな言葉知らないだろうね)な感じがそれだ。ぜんぜん、ビジネスの感覚が無いのだ。
金魂巻―現代人気職業31の金持ビンボー人の表層と力と構造 (ちくま文庫)(和博, 渡辺)
もう1つ、敬意あるいは無視の問題がある。無数のRailsカンファレンスについてどう扱われたのかは知るすべもないが、あの分厚くて、Railsのことならなんでも書いてありそうなデイブとDHHの本に、Mongrelという言葉が何回出てくるか数えてみると、そのへんのニュアンスも見えてくる。InstantRails(2.0になったの知ってた?)のデフォルトサーバーになっていて、Apache+FastCGIと異なって(今現在のFastCGIのステータスがどうなっているかは知らないので、知りたい人が調べれば良い)作者がリアルタイムにLingrまで使ってくそまじめにサポートしていて、間違いなくWEBrickより高速なのだが、わずかにProxy方式でApacheとつなぐトピックに1、2度顔を出すだけだ。「デイブはただのデブ」のあたりには、そのあたりのルサンチマンがあるのだろう。事実、ピッケル本のことをあげつらいながら、アンディはいいやつだから、ピッケル本のことを悪く言って、あいつに迷惑がかかるとちょっと困るなぁみたいなことを書いているくらいだ。
別に結論はないが、文章があるなら、まずは読み、コンテキストを得て、それから考えて、そして何かを言うと良いと思う。特にそれが微妙な問題ならなおさらだ。
Rails Way, The (Addison-Wesley Professional Ruby Series)(Fernandez, Obie)
ちなみに、いいやつオビーの本。
いや、大間違いかも知れないけど、あれだけでっかな国だ。NYC在住のすちゃらかハッカー(ちょっとヒッピホップ)と西海岸のひげむしゃハッカー(ちょっとカントリー)と北のほうの厳粛ハッカー(ちょっとなんでしょ?)と南のほうの(知らない)ハッカー(ちょっとブルージー)で言語文化が異なってそりが合わないというようなこともあるかも、とかちょっと思った。
高橋さんのZed Shaw 関連情報で「これは参考になる。」と書かれているAkitaさんの記事の部分訳が木村さんのところで読めますよ。
あと、Zedの後日談?も。
ジェズイットを見習え |
北、デトロイトでいいなら昔ソウルで今はテクノみたいですね。厳粛ってのが打ち込みとマッチしてない事もない気が。
お、なるほど。今はテクノって僕のイメージにも合いますね。僕は(クラシックの)クリーブランドのイメージしかなかったのですが、それとマッチしてる。
厳粛というより、固い(メトロノーム的に)と書きたかったのですが、ちょっと言葉が思い浮かばなかったので。
うわ!これは 大びくり! AkitaOnRails (私)の名がいつか日本に通用するとは考えても見なかった!光栄です。少し説明してみよう。この事情に付いてZedの言うことは少し正しいけれど、あの言い方はないと思います。ものを言う時にはゆっくり説明すればいいのに。あれで正しくても間違ってる気がするだけ。だから私はただもっといい言葉で同じ事を書いただけ。ま、私のへったくそな日本語でごめんなさい。:-)
秋田さんのまとめは要所を押さえていて良かったと思います。どうもありがとうございます。