著作一覧 |
バーミンガムロイヤルバレエ団を観に上野。
実はそれほど期待していなかったのだが、これは良かった。というか、どうもイギリスのバレエが好きみたいだ。こないだの真夏の夜の夢も良かったから。イギリスってのは良くわからない国だな。
1幕途中、ベル(でよいのかな? 末娘)が野獣の家へ行く道に迷ってカラスの集団に空飛んで連れてってもらうところ。ここまで空を飛ぶ振り付けははじめて。
なんとなく高慢と偏見(あれは、上2人対中立1人対末2人だが)を思い起こさずでもない(というか、リア王をはじめよくある構図とも、というか、3つともたまたまイギリスだな)、上2人と末1人の対立+親父の様相とか。
最初の導入部、太ったというか恰幅のよいスナフキン(帽子とマント。というか、自然派の放浪者ってのはそういう姿なんだろうか)が雌狐を猟人から守るために女性に変化させ、猟人に呪いをかけるところ。を、とてつもなくグロテスクな木の触感がある書棚で本を読みふける末娘。本当に豚鼻なコション氏(2幕では、散々飯に飛びついて豚のお面まで被る早変化あり)。
2幕非常にグロテスクな老人たちの舞踏。の前は、道化師的な役回りのカラスと雌狐の組み合わせと、獣達の舞踏会。
呪いが解けたあとの、末娘と元獣の踊り。これは、艶かしい。ああ、そうか、真夏の夜の夢もそうだが、2つとも、19世紀ものと違って、妙にエロいのであった。もつれたりじらしたり浮かんだり。
最後はスナフキンが狐に戻してバイバイ。
伸びやかで美しい。
舞台装置も良かった。
音楽は、まあ、こうなるのかなぁ。1幕は無調、2幕は不安定だけど調性音楽。最後の2人の踊りはメロディもある。2幕途中の獣が一人で怒りながら踊るところでは、足踏みのタイミングで太鼓。
ジェズイットを見習え |