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地下鉄乗ってたら、隣に若い女性が腰かけた。連れも若い女性でどちらもチャーミングで、結構なことだ。
ところがどうも妙なのだ。手振り激しく「だびでびでひでbひだばとぅびや」みたいなものを話して会話している。「ってな感じでね、どびでぃびだばやまねびでぃべだたとえばねどぼるびでべでびで」なんじゃい? 日本語勉強中の外人ってわけじゃなく、日本語ネイティブが妙な音を混ぜているという感じだな。
しかしどうやら上達がどうのとか言っているし、もっと早い友達がいるとかも聞こえてくるし、会話が成立しているようにも見える。
しばらくしてパターンがわかってきたような気がしてきた。何を言ってるかはわからないが、ラ抜き言葉とかタヌキとかの一種のようだ。したがって、すごい速度でどびでびどでだばしているときは、それは意味なくて、ときどきかどでびなびでばらびでもなどでばとか言っているときは、有効な音が混じっているのだろう。
そのうち、ちょっと人前では話題にしにくい話を始めたらしく、ひそひそ声で相談をしたりしながら、だびゃでびどばだが始まったがちょっとテンポが悪くなって、何やらいくつかの単語が判明できたりもしたが(右手の親指から薬指まででアルペジオしながら小指でメロディーを弾くような感じだ)、ほとんどわからなかったが、そういう会話を地下鉄の中ででっかな声で話すかわいい女の子二人組という取り合わせが、結構、おもしろかったどびでびだばや。
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