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Ruby3の校正をしている関係ということもないけど、翔泳社からRuby札幌グループの逆引きレシピを頂いた。
で、読んだ(目を通したというべきか)。
うーん、おれは高橋さん、青木さん、裕蔵さんのレシピブックのほうが好きだな。でも好き嫌いとかそういう感覚をレシピブックのような実用書に対して持つのは意味がわからないので、正確には、何か違和感を覚えるということだろう。
けれど、きっと、札幌レシピのほうが時代には則しているのだろう。それはRuby 1.9に関連したレシピ(文字コードのあたりとか)が出ているからとかそういうレベルのことではない。
この差を説明するのは難しい。
たとえば札幌レシピの項目には、「QRコードを生成したい」とか「サムネイル画像を作成したい」とかいった、それRubyのレシピなのか? と感じるところがある。でも、実用性からいけば、もちろんレシピだからそういった項目があるのだし、ユースケースも容易に想像がつく。「memcachedを利用したい」とかいうやたらと狭い気がするレシピもある。
あるいは、RubyGemsやRakeの使い方だ。何しろ最初のレシピが「Rubyの便利なライブラリやツールをインストールしたい」で、次が「RubyGemsを使ってパッケージをインストールしたい」。
つまりおれが感じる違和感の正体は、高橋−青木−裕蔵レシピがまつもとゆきひろのRuby(というスクリプト言語)の本なのに対して、札幌レシピは、今のRuby(というビジネスに利用されるシステム)の本だという点にあるのだろう。パラダイムの形成を見たぜ、ということかも。
Ruby 逆引きレシピ すぐに美味しいサンプル&テクニック 232 (PROGRAMMER’S RECIPE)(島田 浩二)
(るびきちさんの本は、その対比でいくと、高橋−青木−裕蔵レシピをさらに個的に先鋭化したような内容なのだろう、と思うが、読んでいないのでわからない)
別の言い方をすれば、かぶるところとかぶらないところがあるんだから、両方もってりゃ良いとも言えるかな。さすがにオーバースペックかも。
(おれが持っているのは赤いやつだけど)
おれの手元にあるレシピブックについて言えば、楽しみながらRubyでスクリプトを組んだりなんとなく読んだりするなら、高橋−青木―裕蔵レシピ、仕事モード(本番システムモード)でRubyを使いまくっているのなら札幌レシピという感じかな。
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