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妻が図書館から借りて来ておもしろいから読めというので読んだ。
ソニー出版の本で、翻訳は星新一。ドイツの人たちが作った絵本。アマゾンには無い。
やせた聴き分けの良い2人の姉妹が、ある日親父が買ってきた1冊の奇妙な本のとりことなる。その本はトマニと呼ばれる種族(動物?)について、とある冒険家の船長が記録したものだ。
寝ても覚めても姉妹はその本を読む。だんだん背がずんぐりむっくり、牙が生えて髪の毛は縮れて、皮膚は青くなり、ついに尻尾がはえて、立派なトマニになる。聴き分けはどこかに捨ててしまい、もう手伝いもしなければ毛糸で編み物もしない。胡桃の木に登って歌を歌う。父親は太鼓と何か楽器をプレゼントする。
母親はそれが嫌でひた隠しにするのだが(一方父親は、まあいいんじゃないかなぁ、いろんな人がいるほうがおもしろいし、という態度なので回りの人から敬遠されてしまう)、ある日、娘二人を連れて買い物に行かざるを得なくなる。
近所の人々は、この異形の獣に対して石をぶつけ棒で殴り、殺そうとする。
両親は熟考した末、家財を売り払い船を買い、一晩かけてトマニ式の本を熟読し、娘たちと同じくトマニとなる。とってもきれいな青になったわね、と子供たちは大喜び。
町の人たちの襲撃を避けながらどうにか船にたどりつき、一家はトマニの世界へ向けて出航する。
トマニそのものには良いも悪いもない。近所の人々の反応は当然だし、両親の選択も正しい。
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