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友人の家でワーグナーがバイロイトで演出したマイスタージンガーを観る。
なんで全裸かわけわかんねぇとか。
それはベックメッサーが歌うところで土をいじくって全裸の男女を舞台に上げて、笑い者になるところだ。
なんだろう? とわからないまま、ワルターの番。ん? 歌は素晴らしいが凡庸で気味が悪い男女、操り人形ぽい、を出して歌を補完する。
わかった。
ベックメッサーは神のごとく土から人間を生み出した、少なくともそれにチャレンジしている。
それに比べるとワルターはかすだ。もちろん観衆も親方たちも。ということは……そういえば、ジークフリートの衣装を着ているのはベックメッサーだ。
ああ、なるほど。この演出はあからさまだよ、と友人が言う。この後がすごいんだ。
すると、ワルターから鹿の像をつき返されたザックス(その間、Bek in The TownのTシャツを着たベックメッサーが傍観者的にせせら笑っている。)が明らかな身振りと照明の中、ドイツを語る。おれはこの曲大好きなのだ。だがここまで露骨にある側面を出されると、気分が悪くなる。アレックス効果だ。
演奏が終わるやウーウー激しいブーイング(その一方で拍手)
引導を渡すのは血を継いだものの役回りと考えたのだろうか。
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