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新国立劇場でフィガロの結婚。
以前CDかLPで聴いたときは、モーツァルトっぽい退屈な音楽だと思ったが、劇場で観るとえらくおもしろかった。というか、序曲が始まるだけでうっきうっきしてくるのは不思議なものだ。劇場の音楽ってやつかも。
演出はシンプルな白い箱の中に白い箱(London行きとか書いてあるのは物語に符号する)が積み重なっていて、後から運び込まれる箪笥を除けば、それが机になったりいろいろ利用される(ケルビーノが最初に隠れるのも箱)。2幕の終わりと4幕かな(伯爵が壁をどんと叩くところだと思ったが)で壁がすこしずれて床がななめになる演出が妙だ。伯爵の主観世界なのかなぁ。
歌手は特にケルビーノが良かった(恋とはどんなものかしらのテンポの取り方がちょっと引っ掛かりがあって良い意味で印象的だ)。が、フィガロもシュザンヌも芸達者で楽しい。伯爵夫人はきれいな声だが(おそらく曲が好きではないので)退屈した。
ボーマルシェの原作にはあるのにモーツァルトにはなくて残念なのが、シュゾンゾンゾンの歌と、バルチェッロのこんな変なやつが息子だなんでごめんこうむるのあたりだけど、まあどうでもいいや。
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