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日曜に、映画みたついでに文化村でフランダースの光展。
呑気な村を気に入った連中が2派、それぞれ独立して(お互いに交流なく)同じようなところで全然違う系統の画を作っていたというのがおもしろい。(名前がどうも第一世代はフランス系っぽく、第二世代はドイツ系っぽく感じたので、もしかするとベルギーという特殊な国に固有の事情があるのかも知れない)
最初は村長さんから始まる。1枚目と特に黄色い花と樹を描いた3枚目が好きだ。2枚目は妙なリアリズムで僕には気持ち悪く感じる。
で、その村長さんのところに、彫刻家がやって来て(この男の作品はまったく異質なのだが)、さらにそこにいろいろやって来て第1世代を形成する。この連中の画はどれも好きだが、兄弟の画家で労働者の妙に寸詰まりでガッシリとした画は独特(だが、彫刻家の作品とは共通するものがある)。サードレールという画家の農家や、その前の何点かがとりわけ素晴らしい。この世代の作品は、単なる風景に何か異様なものが隠されているという趣のやつ。
で、第2世代がクラウスという点描画の親分のような人を中心としたもの。クラウスという人が大作家なのは構図のうまさ、技巧の確かさからわかるのだが、まったく好きな画ではない。が、うまいし魅力はある。妙に上のほうに構図の中心があって、中ほどより下のほうを川と上から落ちる水面にうつる影を描いた弟子かなぁの作品が印象的。
この第2世代の中から新しい芸術が生まれて、その代表が名前はうろ覚えだがヴァンダイクみたいな名前の人(ヴァンデベルグだ)。子供が左で口を開けていて、中央から右にぽっかりと草原があいていて、その後ろに林、手前は柵かな(覚えていない)が、それは印象的な作品で、何か異様なものが隠されているタイプではあるが、第2世代の人の明るさがある。
その向かい側の納屋にキュビズム風な牛がいる農家の画(名前忘れた)も印象的だった。
日本人画家(クラウスの弟子)がそれぞれ白い椅子に腰かけて川を見ているモデルの絵があって、同じ素材だが、それを描く友人を描く画というメタな構図を描いたほうの人が好きだ。
第2世代にも兄弟がいて、どちらも石灰で白く塗られたリンゴの樹というか果樹園を描いていて、弟のほうが曖昧な感じなのだが、その弟は金持ちの家の画を書いていて、もう少しでヴァンデベルグになれそうでなれない。で、兄のほうは風景で消えたと思ったら(川の妙な構図は弟だと思い出した)、最後のほうにあたかも菅野修のような画が出てくるのだが、印象に残っていない(菅野修みたいだなぁと思ったというか、第一世代の弟の労働者の画も菅野修みたいだったような、というか、おれにとって菅野修の印象はすさまじいものがあるようだ)。
菅野修は、ガロに掲載したセメント樽の手紙がすさまじかったのだ。
はて、これはどういう表現なのだろうか。
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