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知り合いのクラシック愛好家が、最近さすがにCDの山に埋もれて死ぬのはいやになったらしく、デジタルデータに変換しはじめた。
そうなると、元が凝り性な人なので、徹底的に曲名とか揃えているので、iTunesでぽかぽかソートすれば、たとえば、ヴェルディのドンカルロ(ス)のある特定の曲(たとえば、フィリッポ2世の4幕、場合によっては3幕)の聴き比べとか簡単にできる。というわけで、カラヤン版のギャウロフと、サンティーニ版のクリストフと、アバード版のライモンディ(でもフランス語)の聴き比べとか、LP時代は元よりCDになっても面倒でやってられなかったことをしてくれたり。
やっぱりギャウロフが声が素晴らしいのだが、でもクリストフも良いなぁとか。
(これが今のところベストだな。長さ的にも)
Verdi: Don Carlos(Giuseppe Verdi)
(ドンカルロが年寄過ぎる気がするが、もちろん良い)
Verdi: Don Carlo(Flaviano Labo)
(その人はゴッビよりもバスティアニーニのほうが好きだといって、こっちを貸してくれた。が、MP3ダウンロードで1200円ってばかみたいに安いなぁ)
で、そういう調子なのは良いが、このLANケーブルを買うか迷っているとかいって、妙なものを見せてくれたので、意味ないからエレコムとかので十分でしょう、と言ったのだが、後になって考えると、実はそうでもないかなということに気付いた。
少しでもスニファとか使ってネットワーク解析をすればわかることだが、結構、データ化けはあるのだ(さすがにLANだと補正可能な範囲で済むので、致命的なのはごくごくまれにしか見ないし、ここ10年程度は見たことはないけど―見たことないのは補正した結果がまだダメだった場合で、ACKタイムアウトのリトライみたいなのは普通に見る)。また、WindowsマシンであればNDISからTCP/IP通してアプリケーション層へいくまでの間にも遅延がある。
音声データであれば、NASからDAコンバータがあるところまでがLANでつながることになる。一般的な接続形態であれば、NAS-PC-DAコンバータ付きのオーディオ機器で、2か所にケーブルが入る。
ここで、CDクォリティという程度で考えるとして1.4112Mbpsだから、1GbpsのLANだったら帯域は1/1000でまったく無問題に見える。100BaseTXでも帯域は問題ない。
ここで、秒あたり1.4Mbit読み込んでバッファリングするというプロトコルを利用すると想定する。1.4Mbitsということは秒あたり150Kバイトくらいになるので、あまり考えずにWindowサイズを8Kとすれば、データパケットの転送で秒あたり18パケットとなる。1パケットあたりに利用可能な時間は60m秒程度なので、ここで、TCPは利用できない数だということが明白(リトライ2回から3回で遅延が発生する)なので、UDPの利用となる。
普通のUDPの実装だとデータグラムは500バイトなので、秒あたりは300パケットとなり、1パケットあたりに利用可能な時間は3ミリ秒となる。
これは、業務システムであれば、ちょっと無理……と断ることになる速度だ。
難しいじゃん。というか、既にシステムとして無理っぽい感じがひしひしとしてくる。普通にシステムを組めば、間引きの発生は免れない。(データ転送と異なり、ある1秒間には1MB送ったがその直前の1秒間は無通信というような方法では当然だが音切れするから意味がない。当然先読みバッファリングすることになるとして、ではそのバッファの適正値はいくつかとか、バッファから転送する(バス上でネットワークからの転送とコンテンションしないように調整が必要となる)ためのオーバーヘッドとか別の要因が入ってくる)
とすると、最初に考えるのは、経路での信頼性の確保になるから、本気でノイズ防御とかはじめると、そんなクォリティのケーブルは一般用途にはまったく不要だから、手作りに極めて近くなり、ばかみたいな価格になるのもしょうがなさそうだ。
それで、いろいろ見せられたDAコンバータにWiFiを利用した製品がほとんど存在しないのも理解できる。
こうなると生データを転送していてはHiFiなどとは口が裂けても言えないので、まともなシステムであればロスレス圧縮したデータを転送して、DAコンバータの手前で伸長することを考えた方が良いことになるし、すると余分な回路が入ってくることになるので(あとりまえだが、ファンレス、スィッチングノイズゼロが必須)、なんだかなぁみたいな価格ににもなるのだな、とちょっとだけ納得した(購入層の人口比を考えると、システムを導入する企業数程度をへたすれば下回るのだから、価格が跳ね上がる仕組みだな)。
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