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日々の破片

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2013-06-15

_ 決戦を避けた男たち

歴史の本を眺めていると、おおざっぱには似たような時期に、しかしお互いにどう考えても疎でありながら、似たような不可解な行動を取る人を見つけて、不思議に思う。

そこに何か共通点があれば、不可解な行動を取った理由がわかるかも、とあれこれ想像してみても、しかし、やはり不可解な行動であった。

ハンニバル・バルカ。紀元前216年にカンネの戦いでローマ軍に壊滅的打撃を与えた。このままローマへ進軍すれば、ローマ帝国ではなくカルタゴが歴史を作ったかも知れない。が、留まる。

楽毅。紀元前284年に済西の戦いで済に壊滅的打撃を与えた。(ja.Wikipediaの記述は僕が以前読んだ楽毅が止めをささずに単に時間を潰しているように見えた、という歴史があったようには読めない)しかし完全に滅ぼさず留まる。

カンネの戦いをja.wikipediaで読むと、第一次北伐での魏延の長安進軍案を退けた諸葛孔明を思わせないでもない。

攻め取っても行政機構を完全に構築し政治を掌握できなければ結局は無駄になるという考え方は、諸葛孔明の侵略についての政治方針だった(南攻時に直接支配とせずに、孟獲を王として留めた)ので、これは理解できることではある。(さかのぼれば、その考え方は近攻遠交という范雎の軍略にあり、それによって秦が帝国を築いたことを考えればもっともなことであった)


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