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日々の破片

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2013-12-08

_ トリノのトスカ

シンプルな舞台美術だけど、演出はノーマルなトスカ。最初はトスカが身を投げるところの映像で始まる。幕があくとチャンチャーチャチャと鳴り響く。舞台がシンプルなので、最初にトスカが花を献じるところや、ナイフを取り上げるところ、カヴァラドッシが通行書を丸めて捨てるところなどの細かな動きがきっちりと見える。最後、城壁が回転し、それまで中から見ていたのが外から見たところとなり、トスカが身を投げるところで映像に戻る。地面に激突するところでぴったりオーケストラが終わる。

ノセダの指揮はゆっくりめに感じる。妙なる調和とかこんなにゆっくりで歌えるのかとはらはらした。で、そんなカヴァラドッシをアルバレスが歌っていて良い声良い演技だった。トスカはラセット。なんとなくだが、テンポがゆっくり過ぎて、フリットリが降りたのかなとか考えたり。

オーケストラが実に美しい。止まるところでは完全に無音になる。歌に生きの直前が完全な静寂となり、すばらしく効果的だ。

実に満足した。


トスカの作曲開始は1896年。台本は1889年。本はリコルディ。

それにしても、アンドレア・シェニエの二番煎じに見える。革命側の芸術家がテノール、その恋人への横恋慕がバリトン。密偵が良い味を添えて、パストラーレとガボットが余興に演じられる。最後テノールとソプラノは刑場の露となっておしまい。舞台はフランス革命-ナポレオン時代(作曲時代の100年前)。

で、アンドレア・シェニエは1894年に作曲開始、1985年に完了。1896年に初演で成功。本屋はソンツォーニョ。

とみると、どうにもリコルディが対ソンツォーニョの秘密兵器としてプッチーニを投入したとしか思えないなぁ。

で、どちらもイリッカの作品なので、どれだけイリッカが重要人物かと。


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