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企業が帝国化するを読んでいて、トウモロコシの価格低下、安定供給という件に反応する。
企業が「帝国化」する アップル、マクドナルド、エクソン~新しい統治者たちの素顔 (アスキー新書)(松井 博)
猫の餌に買っているロイヤルカナンの成分表を見て、ほーっと感じたことがある。
ほとんどトウモロコシなのだ。
ネコは本来は肉食だが、その本質はアミノ酸の直接取得ということになる(はず)。したがって、脂肪については肉由来か野菜由来かはあまり関係ないので、トウモロコシを主原料として脂肪と繊維とタンパク質の大部分を確保し、そこに必要となるアミノ酸を追加し、不要あるいは害となる成分を除去したりすることで、その生物にとって理想的な食料を人工的に作りだせるということなのだろう。後は、そうは言っても自ら進んで口にするものなので、香りや味をほとんどの猫の嗜好に合うように調整し、油脂が大量に含まれるため酸化防止剤などで安全性を確保する。昭和のネコや犬と違って、最近のネコや犬が長生きになったのも当然だ。餌が違う。
そういう餌を安全(衛生的)かつ安価に生産するためには、それなりの規模の工場が必要となり、それを安定的に稼働させるためには、安定供給を受けられる原料が必要となる。
なるほど、トウモロコシが主材料となるはずだ。で、モンサント帝国のところで、ロイヤルカナンも帝国に依存している企業で、その生産物を毎日食っているうちのしろちゃんくろちゃんも、帝国に依存していることになるのだなぁと、感心してしまうのであった。
で、今日、動物病院に、しろちゃんの抜糸のために連れて行って、待っているあいだに、待合室に置いてある本を手に取って読んだ。
それがペットフードのひみつだ。
一見すると、ふつうの学研のひみつマンガだが、ちと違う。
ヒルズコルゲートのPR本なのだ。そうは言っても、ペットを飼おうとしている子供に読ませても損はしない内容になっている(それだけに、他にも同じようなコンセプトで作られているペットフーズがあっても、子供がヒルズのペットフード以外は見向きもしないように刷り込まれる可能性もあるし、当然、そのつもりでヒルズが作ってばらまいているわけだ)。
このマンガの出だしがまともなのは、ステレオタイプな親子の会話にあらわれていた。
子供1:犬が飼いたいよ
子供2:猫が飼いたいよ
母親:すぐにあきるんでしょ。遊ばなくなったおもちゃを見なさい
子供1:ぐぐ。でもペットは違うよ(説得力なし)
子供2:わたしは違うよ!
母親:ピアノを習う、絶対続けるといったのは誰?(ほこりをかぶりまくったピアノを指差す)
子供2:ぐぐ。でもペットは違うよ。
子供たち:ちゃんと世話するよ!!!!
父親:世話ってなにするの?
子供たち:ぐぐ…………食事をあげたりとか……
父親:どんなエサを1日何回、どのくらいの量をあげるの?
子供たち:ぐぐ……
父親:世話できないじゃん。はいロンパ
これは良い。頭ごなしではなく、飼いたい主体がすべきことを提示している。
当然この後、子供たちはペットショップや獣医のところでいろいろ教えてもらって理論武装することになり(当然、ヒルズの能書きもたくさん出てくる)結局、犬も猫も飼うことになるのだが、ヒルズもトウモロコシがあってできる製品だ(大量生産となった現在では)。
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それにしても、1960年代の子供は、未来の食事というのは、栄養が必要十分に取得できる丸薬のようなものになると信じ込まされていたのだが、そういう未来は猫や犬のものとしてとっくに来ていたのだった。(が、それが人間にもやってくる可能性があり得るわけで、そう考えると、むしろ栄養バランスが非常に悪いものをマクドナルドやてんややガストが提供している現在は、むしろ健全なのではないかと思える)
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