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日々の破片

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2014-06-20

_ 外食の本

妻が、図書館で借りられないからお前のKindleで廉価版が買えるから買って読ませろというので買ってやった。

で、鳴り物入りで買わせたわりに、読んだ後も全然不満そうなので、逆に興味を持って読んだ。なるほど、良い本だ。不満に感じたっぽいのもわかる。

「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます。(河岸 宏和)

精神論も含めて、書いてあることがあまりにも当たり前なことばかりなので、読んでいて少しもおもしろくなかったのだろう。センセーショナルな悪口があるわけでもない。

むしろ、ダメな店がなぜダメなのかを事情を斟酌して説明してあるくらいだ。

要するに、買ってはいけないのような本を期待していたっぽい(が、そう言うと、おれが鼻で笑うのが癪の虫を刺激するのでそうは言わないのだと想像する)。

書いてあることは極めてまっとうなことばかりで、そういう意味では特におもしろくもなんともない。

ただ、サービス業(特に外食産業)に従事しようとか考えている人はまじめに読めば得るものはあるだろう(が、書いてあることはまっとうだが精神論が多過ぎてうんざりするかも知れない)。

100円の商品を原価率30%とすると、30円の材料だというだけのことだ。

普通にスーパーでも百貨店でも行って買い物すれば、輸入の牛肉で100g 300円~500円、国産の牛肉で500~1500円、和牛で1500円~とか、豚は安いがアメリカ産のはもっと安いとか、国産のブロッコリの花のサイズを見れば、アウトバックの温野菜のブロッコリは国産ではないとか、普通にわかる。

賞味期限というのは不味くなるまでの期限で、必ずしも食べたら危険になるまでの期限ではないということを知っていれば、賞味期限切れの見切り品を回収後に安く卸すというのもまあそんなものだろうと思うし、変色したり味が落ちたものでも加熱して味を染み込ませれば食えるわけだから昨日の刺身が今日の煮つけとして売られるのも当然のことだ。

安定供給を前提としなければチェーン店は成立せず、安定供給が可能だということは、それが一次産業品であっても、二次産業のように製造できなければならず、そのような管理方法がとられるというのも、これも当然のことだ。

幸い、1960~70年代の実験を過ぎて、生産者も流通業者も消費者も、それほどバカではなくなった(と考えたい)。もっともそのあたりの時代のすさまじさ(七色に川が光ってぼこぼこメタンが噴出して背骨がくの字の魚がいればまだ良いほうで、川がそんなんだから沿岸での養殖には抗生物質をがんがん投与するとか)を知らない人たちが多くなっているから、ちょっと目を離すと平気で逆戻りしそうな気もするが、それなりに法が整備されて規制があるから少しは安全だろう(ということもあって、規制撤廃みたいな言葉を生産者や流通業者側が言い出すと、何の規制についてだ? とまず確認しなければ危なっかしい)。

なるほどなと思ったこともあって、魚を出す必要がある居酒屋についてはチェーンという業態に不向き(どうあっても、良い味の食い物を出すことはできない)というのはそうだろうと、和民の赤字について思いをはせる。消費者が貧乏ならばそれでも業態として成立するだろうが、景気がちょっと上向けば、逆に傾くことになる(小金があればわざわざ不味いものに金は払わなくなる)。


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