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そろそろ薬の残りが少なくなったので、かかりつけの医者へ行って処方箋をきってもらおうと、出かけた。
が、開院時間になっても鍵が閉まっている。おかしい。
でしばらくしたら、内側でがさがさ音がしているのが聴こえたから、ははぁ寝坊したなと思いながら、もう一度自動ドアの押手を押した。
しばらくしたら、下着のようなTシャツを着た医者が出て来た。
なんか妙な出で立ちだなと思っていたら、「頼むから休みの日くらい休ませてくれよ」と言い出した。
はて面妖な。
「今日は第2土曜日(が休院なのだ)ではないですよね?」
「きみぃ、今日は国民の祝日だよ!」
衝撃の事実。だが確かにその通りだ。
「なるほど。ごめんなさい」
「しょうがねぇなぁ」
で、結局、問診して処方箋をきってもらったのだが、矛先が振替休日に向かう(おれが、土曜日と祝日が重なったら金曜日に振り替えりゃ、忘れなくても済むんだけどな、とか言ったからだ)。
「そもそも、あれは愚劣きわまりない。」
「そんなこたないでしょ」
(はて、このおっさんは別に右翼保守主義者というわけではないから、大日本の国民の祝日をないがしろにする愚策であるとか言い出すとは思えないからだ)
「まあ、医者に限っての話だけどな。あれのおかげで若い医者は月曜日のバイトが年間10%もできなくなるんだよ。結構な痛手なんだ。金ないからな」
「はあ、そうですか」
「というわけで、処方箋を渡すが、今日は薬局も当然休みだから、4日以内、つまり月曜に行くことになるけどな、ははははは」
そんなこたないだろうと薬局に行ったら、確かに休みだった。
子供がもう一度マノン・レスコーを観るから新国立劇場に送れというので、車に乗って初台へ向かう。妻も一緒だ。
車内で子供と間奏曲の最後の動機が、2幕の最後の二重唱の最後のあたりでも出てくると話す(カーステレオからマノン・レスコーが流れていたからだ。この前車に乗ったのが、新国立劇場からの帰りで、実に良い曲だったからあらためて聴いてみようとセットしたのが、そのままになっていたのだ)。
プッチーニ 歌劇《マノン・レスコー》ミラノ・スカラ座 1998年 [DVD](ムーティ(リッカルド))
(ホセ・クーラが素晴らしい。もちろんムーティも悪くない。しかし聴けば聴くほどグレギーナの声質はマリアカラスみたいだ(が、カラスではない))
で、スターウォーズと連呼していたら、子供がふと思い出したと言い出した。
「パーンパー・パパパパーンパー・パパパパンのあと、デンドンデンドンデンドンとか間違って教えられたけど、どうしてそうなった?」
「?」
どうも、小さかったころに、妻がそう教えたらしい。
「どう聴いてもデンドンデンドンデンドンとか無いし。低音がきいた打楽器っぽいけど、どうして?」
「だって、デンドンデンドンデンドンってなるじゃない」と妻が言う。が、それはおかしい。多数決は正しい。
それから数時間して、いきなり理解した。
「お前(と、妻におれが言う)、宇宙つながりで、スターウォーズと2001年宇宙への旅をごっちゃにしたんじゃないか?」
「ほえ?」
「リヒァルトシュトラウスのツァラトゥストラかく語りきじゃん。デンドンデンドンデンドンって」
「ほえ?」
「チャーンチャーチャーン、チャチャー、デンドンデンドンデンドン」
「む、そうかも」
「いや、間違いなくそうだよ。っていうか他にデンドンデンドンデンドンなんて重低音が鳴り響く、お前さんも知っている、映画の音楽なんかないよ」
と、謎が解けた(実際のところはわからないが)。
R.シュトラウス:管弦楽曲集(9枚組)(Richard Strauss:Orchestral Works)(R.シュトラウス)
(おれはケンペが好きだ)
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