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日々の破片

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2018-08-26

_ フローレスのウェルテル

2017年チューリッヒでフローレスがタイトルロールを歌ったウェルテルを観た。指揮はマイスターというなんか修業時代にはさんざんからかわれそうな名前の人。

しかし、曲はやはり良いのだが、うっとおしいほど良い男がウェルテルを軽やかな美声で歌うのが違和感がありまくってあまり楽しめない。

演出は部屋だけを利用して、シャルロットのおやじの家(ノエルの合唱とか、友人たちのバッカス万歳などを思い出しながら見ている)、牧師館、シャルロッテの家の離れ(なのかな)、ウェルテルの部屋を示す。

最初の幕で、王冠を被ったシャルロットにインディアンの羽根飾り帽のウェルテルが酒場に出かけ、2幕では同じ王冠がアルベールからウェルテルに渡され、ウェルテルが置いたものをソフィが被り、それをウェルテルが外す。

4幕(3幕2場?)ではウェルテルの独白中に、王冠の老婆(2幕ではずっと椅子に腰かけている人)と羽根飾り帽の老人がダンスを踊る。

演出はそういう意味では過度に説明的だが、それほど悪くはない。最後の場面でどんどん開けて星空が見えてくるのは素晴らしいし、2幕で残されたウェルテルが床を剥がして出て行き、アルベールが剥がされた床板から何かを拾い出すのも悪くない。ピストルをシャルロットがなかなか使者へ渡せず業を煮やしたアルベールが取り上げて渡すのだが、これはそういう脚本だったのか、それともそういう演出なのかどちらなのだろうか(ゲーテだとシャルロットが渡したような記憶があるけど)。

なんかオシアンの歌の最後はやけくそみたいに声を張り上げているように感じたが、どうもフローレスは後期以降のロマン派は合わないなぁと感じた。

なぜに目覚めさせるのかに関して言えば、現時点ではヴァルガスが一番気に入っている。

ラモン・ヴァルガス - オペラ・アリア集(Ramon Vargas - Opera Arias)(ラモン・ヴァルガス)


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