著作一覧 |
そういえば読んでいなかったな、と本棚に整理されずに残っていた地獄のアリスを読み始める。
いつもながらの松本次郎節で、疎外の度が過ぎてすっかりいかれた少年(今度は14歳だ)スナイパーが囮の人形を使って最初は荒野のモヒカンを、次に廃墟都市のギャングを、最後は本来は仲間として受け入れられるはずの少年愚連隊をひたすら殺しまくる陰陰滅滅たる物語で、ところどころにツッコミと冗談が混じり込む。
が、いつもと違って、お笑いネタにドラゴンボールや北斗の拳がやたらと引用されて不思議になるが、それもそのはず集英社のマンガだった。
そのためだろうが、最後、きれいにまとまって、ほのかに希望すら垣間見せてくれるのには驚いた。
そうは言っても松本次郎なのだが、この人のマンガはどれだけ異様であっても、登場人物たちは嫌な性格とか悪い性格とかではなく、ただ歪んだ方向に真っ正直なので読んでいて気分は良い。それにしても、集英社のカラーはずいぶんと入り込んでいるように見えた。
問題は、6巻が見当たらないことで、購入当時読まずに適当に本棚に入れておいた(それでも探したら5巻までは見つかった)のが良くわかる。しかも紙は絶版になっていて、Kindle版はあるが、途中まで紙で買って最後はKindleというのも気分が悪いのでマーケットプレイスで古本を買うことになってしまった。
地獄のアリス コミック 全6巻完結セット (愛蔵版コミックス)(松本 次郎)
同じく女子攻兵がぽろぽろと見つかったが、まだ探せば出てきそう(そもそも1巻が見つからないという異常事態)なので、引き続き捜索中。
待て、アマゾンの松本次郎を見ていて気づいたが、おれはフリージアの12を読んで(買って)ないぞ。
買ったのはいつだか忘れたが、Kindleに入れたまま放置していたヒルを読了(2か月前くらいか?)
なんか最近の映画にありそうな犯罪もので、昼間の留守宅に忍び込んで生活をするヒルと呼ばれる若者たちのラブストーリー(と要約するとまったく別の作品になりそうだ)。
甘ったるいがおもしろかった。
累が終了。
表紙が口が裂けた累の顔になったので、これでおしまいかな? と思ったらおしまいだった。
ちょっと想像と違う終わらせ方で、そうくるのかとは思ったが、因果物語としては悪くはない落ち着いた終わらせ方である意味感心した。
というか、結局、一番ひどいのは、伝承研究者の弟の演出家だな(と、諸悪の根源を主要ではなくすぐに殺される役に設定するのはうまい作劇だな、とこれまた感心する)。
ジェズイットを見習え |