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妻が図書館で借りてきたので一緒に観た。
というか、ボウイをモデルにした映画というようなことしか知らなかったので、いきなりイーノの針の穴に駱駝を通すじゃなくて、駱駝の目に針なのかなが流れて驚いた。
とはいえスターマンがステージの上で死んだりするわけで、ボウイのエピソードをつなげて60年代終わりから70年代はじめにかけてのロンドンを描きたかったんだなという意図はすぐ汲めた。というか、タイトルやクレジットの文字がまさにそれだし。
で、1974年のステージ上の自殺行為(スターとしても、設定の上でも)をした謎を探りに、同時代の空気を吸っていることがもろわかりなイギリス人の記者にヘラルドトリビューンが取材を依頼するのが1984年だ。
ボウイを投影しているのがブライアン・スレイドという名前でブライアンか、とか思いながら観て行くと、全然イーノではないが鳥のイメージをつけているからイーノをビジュアル上はモデルにしたらしきジャック・フェアリーというラボエームのムゼッタのようなことをしている人も出てくるし、ここぞというときのバンドの音楽がベビーオンファイアーだったり、どうも音楽はイーノが大きい。マークボランも20世紀少年とかがベルリンで行われたグラムの死コンサートという設定の箇所で気分よく流れてくる。
オスカーワイルドと共にスターマンが置いて行った緑の宝石が、誰かはわからぬ(たぶんジャックフェアリーなんだろうけど)少年の手に入り、ジャックからブライアン、ブライアンからルー・リードとイギー・ポップの合成物のカーク・ワイルド、そしてカーク・ワイルドから主人公の新聞記者に渡って、最後、ジャック・フェアリーが鎮魂歌っぽい歌を歌いながらおしまい。
狂言回しとしてアンジェラ・ボウイ(映画の中ではブライアンとカークが寝ているのを見るが、アンジェラが書いているのはミック・ジャガーとボウイだったな)とヘルミオーネ・ファージンゲールを合わせたような女優と、最初のマネージャーと、RCAにはいそうにもない謎の2番目のマネージャー兼レコード屋が出てくる。が、物語はそれほどおもしろいわけではなく、主眼はポップカルチャーな雰囲気の再現なんだろうなぁと思ったし、その点ではうまくできていた。
ベルベット・ゴールドマイン [DVD](ユアン・マクレガー)
それにしても、この映画の大音量でブライアンの曲を流しながらロック雑誌のブライアンの写真を見ていると大音量にたまりかねた父親、続いて母親がドアを蹴破って入って来るシーンって、恐怖映画だな。
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