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日々の破片

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2020-02-02

_ 新国立劇場のラ・ボエーム

出だしは好調なのだが、ロドルフォがなんて冷たい手だのあたりからどんどん速度がのろくなって(遅いではなく、のろい)ひでぇ指揮者だなとえらく興覚めした。

2幕も合唱までは良いのだが、ムゼッタのワルツがのろくてのろくてどうにも不快になる。とはいえ、青いドレスの演出は抜群だし、途中でコッリーネとショナールが別のカップルの席に移動して(ロドルフォとミミ、マルチェッロとはちょっと離れて)いるところについにマルチェッロも移動してしまって、その分ミミがマルチェッロのことを好きなのね、みたいな歌が強調されたり、端に移動しただけに思い出は死んではいないぞ! とマルチェッロが仁王立ちになるところも見事なものなのだが、とにかくテンポが悪い。テンポを別にすると、特に2幕の舞台は素晴らしいと思う。軍隊の行進のために、街が紅海のモーゼのように割れて、その尻馬に5人組じゃなくて6人組が逃げて行くとか抜群。そういえばパルピニョールが良く通る声で楽しかった。

最終日のはずだから、いくらぶっつけ本番でやっても全員がちゃんと演奏できるはずのラ・ボエームとは言え、ぶっつけ本番ではないのだから、もう少しどうにかならんものかとか思うというか、こういう指揮なのだろう。

が、3幕になると(先頭はどの幕も良いので、当然、ここのタタッという始まりは抜群)テンポが遅いのが当然なのだからかも知れないが実に良い。そうなると、オーケストラの歌わせ方も実は抜群なのではないかと思い始める。

・多分3幕だと思うが、これまで意識的に耳にしたことがない、木管だと思うが上下する音型が強調されていてこれは良い。

4幕、ロドルフォとマルチェッロの2重唱のところでバイオリンのソロが美しい。トゥランドットにもあるが、プッチーニのソロバイオリンを際立たせるオーケストレーションは実にうまいし、この指揮者は実はただものではない(ただし、テンポ感は1、2幕に関してはまったくおれの好みではない)なと感心する。

ミミが、マルチェッロ、コリーネ、ショナールに挨拶するところの美しさは抜群。思わず涙。歌手のマチャイゼも良いし、東京交響楽団も良いのだ。

コッリーネの松位の外套の歌は良いものだった。

最後、ロドルフォは絶叫しない。これもありだな。

指揮はカリニャーニという名前で、プログラムを見たらナブッコを振った人だった。癖のある曲者なのだな。

何度も見ている演出のはずだが、今回あらためて不思議に思ったのは、左の扉で、3人組が詩人が詩を見つけたらしいのところで、ロドルフォは左の扉から顔を出すわけだから、バルコニーだと思うのだが、そもそもブノワは右側から部下にノックさせて左側から4人組を急襲するってことは、上の階から降りてきたのだろうか? まさか。それにショナールは水を汲みに左の扉から出て行くが、鳥に餌をやるわけでもあるまいし、どういう構造なんだろうか。


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