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新国立劇場でこうもり。
指揮はクリストファー・フランクリンという人で、出てきたときからやたらと颯爽としていたが、振り始めるとこれまた颯爽としていてとても良い序曲。楽しい曲だが、さらに楽しく、これからの舞台が実に楽しみとなる。
アルフレードは定番の村上公太で今日も調子が良い。
しばらくエレートが続いていたアイゼンシュタインは、ダニエル・シュムッツハルトという人で、なんか雰囲気がむしろファルケ博士だな(と、あまり洒脱な遊び人という感じはしなくて、証券マンみたいだな)と感じたが、悪くないというか、良い感じで進む。アデーレは小柄で最初日本人かと思ったがマリア・ナザロワという人。
で、実に良い調子。オルロフスキー公爵のアイグル・アクメチーナは声が良く響き渡って、これまで観たオルロフスキーの中では本物のオルロフスキーみたいですごく好き。
で、舞台のテンポといい歌といい申し分ないのだが、1点、1幕でアデーレ、ロザリンデ、アインシュタインが、その夜のお楽しみを考えて、ニッキニッキと歌うところが今一つ冴えない。音も歌も悪くないのだが、冴えない。
不思議だなぁと思っていたら、子供が、コロナ演出で手を繋いで踊りまくったりしないからじゃないか? と言い出して、なるほど、それはありそうだ(ニッキニッキで興奮して大はしゃぎするのが、最初の悲しい悲しいとそれほど変化がない)と納得する。というわけで、はじめてコロナ演出の暗黒面を知った。パーティーの中で距離を置いていることはまったく気にもならなかったのだが。
あの演出は、フランソワ・オゾンの焼石に水の4人が突っ立って踊る阿呆なシーンと同じくらいに、ばかげていて好きなんだが残念だった。
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