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松濤美術館へ白井晟一入門を見に行く。
朝起きたら妻が予約はちゃんとしたか? と聞くのでなんのことかと思ったら、今回は予約が必要だった。美術館に予約とは? と思ったが確かに土日は予約が必要だった。
でも当日でも問題なかったので予約して行ったのだった。
とはいえそんなに混むはずもあるまいと高を括っていたら、確かに混んではいないが滞留はしまくっていて、なるほど展示名こそ「入門」だが中は章立てになっていて、とにかく読む展示が多い。くそまじめに読むことになる(おもしろいからだ)ので滞留しまくる。これは予約で人数制限が必要な道理だ。
ろくに知らなかったとは言え、ノアビル(の設計者だと聞かされていたのでそれは知っていたし、それで行く気になったのだった)だけではなく、中公新書の装丁やらマークやら、三原橋の親和銀行やら、知っているもの多数でまさに(おれにとっては)無名の質だった。
それにしても林芙美子まで出てくるとは驚きでもあった。
文学や絵画と違って実用分野だけに名前を知らずに済ませているものは他にもたくさんいるのだろう。
ノアビルは子供の時分に衝撃を受けた。のっぺりとして窓がほとんど見えない塔が聳えているのだから謎以外のなにものでもなく(今回の展示でフィジー大使館などが入居している普通のオフィスビル――とはいえ、塔の背後に普通の建物があるので、むしろノートルダム大聖堂は2本の塔かといえばさにあらず背後に大伽藍があるような形なのだなと納得したりもした。
なぜ子供の頃に衝撃だったかといえば、当時買っていた曙出版のおそ松くんの単行本の後ろに、吸血鬼と塔の恐怖漫画の広告が出ていて(結局読めなかったのでどんな話か知らない)、その広告に出ていた塔に似ていたからだ。
秋田の市役所か何か忘れたが実物の写真だと階段の曲線が美しいが、設計図だと直線だったりするので、大工さんの現場でのアドリブなのかな。
意外なのは重要な協力者が生没年不詳だったりすることで、秩父で余生を過ごしたとか設計を依頼されたのに途中で白井に選手交代させられたりしていたりする大場とはどういう人だったのだろう?
原爆館という企画倒れした作品についての言及が最初の時点から散見されるので、なんとなく広島か長崎の公募かなと思っていたら第3章に出ていて、水の中に浮かぶ様が美しい。(展示を壁沿いに見て行ってそのまま最終章に入ってしまったので、妻(別行動していた)に「原爆館ってそこら中で言及されているけど本当の幻だったのかなぁ」と言ったら「見たぞ」と言われてあわてて3章へ戻ることになった)
いずれにしても、自宅には「~亭」「~居」「~堂」とか「~館」とか名前をつけるべきだと思った。
その後、松濤美術館に行って、トイレを見学。手前のトイレは赤い表示だったので上に登って緑を確認してから開けたらびっくり仰天、すべてが小さい。これでは用は足せないだろう? 天地神明の流派か? と思った。良く見たらピクトグラムに男女の子供が並んでいるので、なるほど子供用なのかと納得したが、下には男と女のピクトグラムもあるので、小は大を兼ねるのかなぁとか考えた。中の見学はそこだけだったが、延々と赤い状態の個室の中がどうなっているのかとか、ありとあらゆるピクトグラムを網羅してあるでっかな中央下のはどうなっているのかとか(緑だったが、上の余韻があったので見なかった)興味は尽きない。
ジュンク堂の本の森でさんざん森林浴をした後、白井晟一に経緯を表して中公新書を買う。
古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで (中公新書)(柿沼陽平)
何十年ぶりかでやしまの看板を見つけたので(以前、みずほの向かいの地下にあるときは妻とよく行った)入って、やたらめったらと腰のあるうどんを食べてから帰宅。
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