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シアタークリエでスラムドッグミリオネア。
子供が観てきておもしろかったというので話を聞くと、クイズ番組に出場したスラムの少年が人生を巡る冒険の中で出会ったさまざまな理由から、全問正解するのは不可能と思われていたクイズ番組に見事優勝して、その理由を人生と共に辿り直す物語と教えられる。
え、スラムドッグミリオネア(という映画の名前は知っていた)って、もしかして「ぼくと1ルピーの神様」なのか? と記憶が甦る。
ぼくと1ルピーの神様 (RHブックス・プラス)(ヴィカス スワラップ)
今は跡形もない外苑前のビブロで「ぼくと1ルピーの神様」の単行本が平積みになっていて、はて? 1ルピーということはインドの小説か? それは読んだことないなぁと手に取っておもしろそうだとは思ったが買い損なってしまったのだった。買い損なった本の記憶は忘れることはない。今でも忸怩たる思いはあるのだ。というわけで、一にも二にもなく観に行くことにした。
主人公のラム役の人は童顔小柄で、おうラムだ、という感じで好感が持てる。
オリバーツイストが引っ掛かるスリの親分をもっと悪くしたような親分の家での追っかけっこは親分と子分2人、逃げるラムと友人によるパルクールでおもしろい。
子供は2幕のタジマハールの歌が良いといっていたなと思いながら2幕が開くとインド映画風にタジマハールの前でどんがどんがとした合唱と群舞で、はて? と思う。が、その後の知り合った娼婦との2重唱で、あ、こっちかと気づく。
悪の片棒担ぎのクイズ番組の司会者が自分の人生を託して死に向かうところは良い。
クイズ番組の異様な司会者といえば国民クイズを嫌でも思い出すが、シベリアで凍えるかわりにスラムの路地裏で射殺死体となって転がることになる。
今の日本では知らないが、テレビのクイズ番組ってのは夢と陰謀が渦巻く想像をかき立てる存在だったのだな。
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