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原先生がおもしろいらしいとかFBに書いていたので何気なく1巻買って読んだらおもしろかったのでつい大人買い一気読みしてしまった。
京大らしき大学に入学したものの、一般教養の数学につまずいて衝撃のあまり休学してしまった主人公が、パチスロにはまって同じく休学していた男、つまずく原因となった言葉を放った女(設定上、本当の数学の才能ありまくりの人)、テスト予想問題の販売屋、巫女さんなどと数学をやりながら院に行く話(までが大体8巻まで)。
さすがに京大に入れる能力があって1年の教養レベルの数学につまずくというのは設定に難があるので、そこを驚異的な暗記力で乗り切った設定にしてかわしているのがおもしろい(そういう人間、確かにいるのは知っている)。
そこで、記憶ではなく自力で考えることのおもしろさに目覚めていくというのが作品としての通奏低音となっている。
とはいえ、それだけでは話がもたないので、大学特有の奇人変人や怪しい寮を出してきたり、京都という舞台ならではのいけずっぷりを出してみたり、いわゆる理系あるあるネタ(みんなで料理をしようとして、レシピの「塩少々」のような記述につまずくとか)を散りばめて、おもしろおかしいキャンパスライフものに仕立てている。
それにしても、既約元のところはつい一緒になって考えてしまったために(主人公が一言二言絶対値だから……とか言いながら証明したことにして作品上はスルーしているところ、確かにこれはマンガに書くのは無意味だな)、読むのに一晩かかってしまったりした。
学食でフーリエ変換に悩んでいたら、隣に座った工学部の連中がフーリエ変換ちょろいとか話しているのを小耳に挟んで死にそうになるとか、ちょろくフーリエ変換を学習しているのこちらとしてはわかり過ぎて、これもおもしろかった。
このタイプであれば、確かにちょろい(そこはそういうものとして割り切っている箇所をきちんと積み上げるのであれば、それは難しいだろうな)。
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