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で、ついでに引用されていたから、This is truly one of the best pieces I have ever read on “branding.”とウィリアムとムーア(というマーケッター。知らないけど)も言ってることだし、あとで読んでおくことにしよう。
ディズニーはこんなことを言ってる。
追記:なぜか途中から訳し始めたのだが、この前になぜ失敗したかの分析があり、それも重要。まあ、ピクシーの作った映画は当たるけど、ディズニーが作った映画は当たらないということなんだが。
創造すること(the creative process)こそディズニーカンパニーの生命線だ。それができるなら、僕らはどんな犠牲を払ってでももう一度花開くような環境を整えるべきなんだ。
創造性ってのは奇妙なものだ。計測は難しいけど、無くなってしまえばすぐわかる。それは生き物なんだ。命を持って息をしてるんだ。それは個人や小さなグループの中で花開くんだ。欲しがれば――時宜を得たからといって手に入るってわけじゃない。委員会とか戦略会議とかによって簡単に死滅しちゃうし。だから、いつだって育て方を見つけなきゃならなし、最小公分母精神に委ねちゃいけないんだ。
創造性の最大の敵を僕は「企業思考」と呼ぶことがある。これはとても奇妙に聞こえるかも知れない。だって、ディズニーは企業なんだから。でも、だからといってそういう思考法を採用しなきゃならないってわけじゃない。
こいつの危険性について喋らせてくれ。僕らの会社の1番の財産はディズニーという名前だ。これ以上は言わないよ。こいつは僕の名前だし。でも、最近では「ディズニーブランド」として扱われることが多いようだね。僕にとっては、それは「ディズニー」を官僚主義的管理可能な「モノ」に格下げされたように見える。本当は創造性のチャンピオンの「名前」なのに。今ではミッキーやプーさんや他の連中も、そういった扱いを受けてるとしか思えない。
別の機会にも言ったことがあるけど、ブランド(烙印)ってのは牛のケツに押すものだ。君たちが牧場主ならそれも結構なことだが、まあ、牛ってのはどれも似たようなもんだし。それから、ブランドはビジネスマンにとっても価値があるみたいだね。ビジネスマンは洗剤や靴とかにブランディングするけど、ああいったものは牛みたいにどれも同じようなもんだから。つまりだ。ブランドってのは、君たちの売り物がまったくオリジナリティがなくて他と区別できないときに使うシロモノなんだ。
でも、僕らの売り物には何かしらのオリジナリティがあるだろう? 少なくてもあったんだ。消費者は、僕らの名前から何かを感じるんだ。
僕はね、もしこれからもディズニーを「ブランド」として扱い続けていると、3/4世紀もの間にディズニーの文字の上に作られてきたすべての意味を失ってしまうと、本気で考えているんだ。僕らに必要なのはもう一度それを称えられたり祝福されたりする対象――「名前」として考えることなんだ。企業思考から抜け出すんだ。創造への途へ舵を切りなおそう。そして儲けるんだ。
これまでディズニーカンパニーはどうやって株主へ莫大な価値を与えてこれたんだい? その理由は2つある。1つ目は、クリエイティブピープルの想像力と才能を信じ、任せてきたことだ。2つ目は、彼らが要求するリソースでサポートしてきたことだ。
現在の経営陣が君らに何を吹き込むかは僕にはどうでも良い。明らかな事実はたった1つ。君たちはいつでも誰でも騙すことはできないってことだ。そしてこのビジネスで成功するには割引サービスじゃだめだってことだ。消費者は価値のために金を使うんだ。そして君らが中古品を売りつけようとしてるのに気付いているんだ。
じゃあ、僕らは何をしなけりゃならいんだ? 簡単なことだ。僕らに任された巨大な価値ある資産を信じ、理解する新しい経営陣を迎えることだ。
ディズニーという苗字を持つ人間の言葉として受け取って欲しいんだが、僕の会社はコモディティーじゃないと信じているんだ。創造的なアイディアのパワーを信じ続ける限り、僕らの前途は洋々だ。
てな感じかな。株主への発言だからもっと固いんだろうが。
それにしても、クリエイティビティへの信頼重要とか、妙に心地良い響きではある。ブランドとネームの差というのは考えてみたこともなかったが、ネームは祝福可能とか評価可能とかっていうのはちょっと日本の感覚と異なって面白い。言いたいことは(日本に置き換えれば)デルやHPはブランドだが、アップルは名前だってことだろう。でもどっちもブランドなんだけどね。烙印って意味は一般的には入ってないから。ファッションだとナショナルブランド、キャラクターブランド、デザイナーブランドと区別があるが、どれもブランドだし。
しかし、HPとコンパックの合併のときも感じたが、アメリカってのはおもしろい国だな。
追記:ピエールカルダンとかがまさに牛のケツに押すブランドに堕した良い例だ。
腹が減ったので食ってみたら、思ったより(蓮の実って入れ物の丸い穴の蜂の巣のほうを想像してなんか固そうに感じるし)うまい。
みてくれと色はマカデミアナッツみたいだが、これが蓮の実の味なんだな。
どうもごちそうさまです。
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