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よしきさんが教えてくれたお話知ってるよを読んでたら、三匹のビリーゴーツグラッフの話が出てきた。橋の下のドワーフの話だ。トリップトラップ、トリップトラップ。
これ読むと、今となっては古色蒼然たる翻訳でとても読みにくい瀬田貞二だが(5年くらい前にドリトル先生を子供に読んでやろうとしたらあまりにも読みにくてびっくりしたのだが、と言ったって子供の頃には平気で読んでいたわけで、言葉遣いの問題ではなくてモノの名前の扱いが現在と微妙に異なっているように思える。もう少し年齢が高い子供向けのナルニア国にしてもそれほど読みやすいわけではないように思う)、絵本では全然古びていないことに気づく。ビリーゴーツグラッフとカタカナの名前が、がらがらどん。トリップトラップが かた こと かた こと。オノマトペをきちんと翻訳しているのだが、それがとても良い味になっているからだ。ドワーフがトロルになっているのは、良くわからないが。フィンランドにはムーミントロルがいるくらいだから、北欧民話では元々トロル(これは巨人のはずだ)だったのが英語化の過程でドワーフ(これ、白雪姫の小人もドワーフだからきっと背が低くてがらがらどんに突き飛ばされるのも当然のように思える)に変わったのを瀬田貞二が元に戻したのか、マーシャブラウンが自分の絵と合わせるためにトロルにしたのかはわからないけど。(なんとなく橋の下の屈強な小男と言うと丹下段平を思い出したり、とか)
追記:劇団プークのがらがらどんに子供を連れて行ったらトロルが怖くて泣きそうになって、でも我慢しながら見ていたのを思い出した。
三びきのやぎのがらがらどん (世界傑作絵本シリーズ)(マーシャ・ブラウン)
それはそれとして、絵の違いはさらに輪をかけて大きい。マーシャブラウンの極端におそろしいビッグブラザーのがらがらどんと地獄からやって来たようなぼろぼろのトロルの対決シーンのダイナミズムと、なんかイソップの橋の上から水面に浮かんだ自分に吠えて骨を落としてしょぼくれた犬の話のようなI KNOW A STORYの絵だと受ける印象が全然違うな。
で、マーシャブラウンって他にどんな本を書いているんだろうと思って見ていたら
こんなのもあるのか。
je m'ent foutrist(綴りを忘れたが、ジュモンフートリストとカタカナで書くともっとわけがわからない。フューチャリストと似ているようで全然違う。今の日本の言葉だとDTということになるような気がしないでもない)の絵本ってどんなもんかとても興味を惹かれてついクリック。
世界の果てまで連れてって!… (生田耕作コレクション)(ブレーズ サンドラール)
日本語で読めた唯一の長編は品切れか。
黄金―ヨハン・アウグスト・サッター将軍の不可思議な物語(ブレーズ サンドラール)
と思ったら、こんなのも出ていたのか。まったく知らなかった。読みたいがやはり品切れ。
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