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しかも、まだあった。
3 Works for Live Electronics(David Tudor)
音楽の前衛が、政治の前衛と結びついていた時代を1960年代(いや、1940年代まで戻ってブレヒト−ワイラーのコンビを考えてみたり、あるいはもっと遡ってドレスデン革命にかかわったワーグナーまで遡ると、前衛は常に前衛だっと言っても良いのだが)から1970年代半ばまでとしてみよう。
すぐに思いつくのは、やはり僕にとっては高橋悠治なのだが、政治の前衛が目立たなくなっていくのに合わせて音楽の前衛も後ろへ下がっていく。一歩前進二歩後退。
一歩前進、二歩後退 新訳 国民文庫 119(ヴェ・イ・レーニン)
アカデミックな前衛とは別に、現場での前衛もあった。現場前衛というのは商業音楽における前衛と考える。するとその消費者として片方にヒッピー、片方に労働者(という意識を持った労働者)と活動家が見える。サイケであったりアシッドであったりあるいはプロテストなんちゃらとか、そのあたりだ。
だから、銃を取れ。
それらが退潮した後に、くだらない世界がやってくる。にこやかでちょっと長髪。
青春の輝き~ヴェリー・ベスト・オブ・カーペンターズ(カーペンターズ)
グレープラストコンサート・伝説の神田共立ライブ(通常盤)(グレープ)
暗黒時代の幕開けである。
でも、暗黒時代は長くは続かなかった。顔をしかめた短い髪。
そして、反動の反動がやってくる。しかし、覆水は元の盆には戻らない。
イエロー・マジック・オーケストラ(US版)(YELLOW MAGIC ORCHESTRA)
技術は技術。
一方、前衛は暗黒時代に何を生んだのだろうか?
A Rainbow in Curved Air(Terry Riley)
たったひとりで電子楽器を操り、永遠に終わることがない微細な変化の記録だ。
そんなある日のこと、たまたま入ったアールヴィヴァンで、めがねをかけた店員(芦川聡さんである)に、なにかおもしろい音楽は無いかと高校生のおれは訊いたのだった。
彼はロックマガジンのある号を買えと言ったと思う。ロックマガジン? とまったく興味がないおれは訊き返す。でも、知らないのだから拒否する必要はないことに気づき、それを手に入れる。
で、音は?
彼はアンビエントな音を示す。
ミュージック・フォー・エアポーツ(紙ジャケット仕様)(ブライアン・イーノ)
えー、それって退屈じゃん。
ふむ、と言っても、新しいというのはこれなんだが、と考えてから、相手が小僧で要するにあまり知られてないのを聴きたがっているのだろう判断したのか、シンプルできれいなLPを渡す。
淡いピンクにハートの形をした交通標識だったかな?
ミニマルミュージックよりはメロディーがポップで、ゆったりとしたテンポで電子音が重なる。えらくつまらんと思ったが、せっかく勧めてくれたのだからと買って帰った。それからしばらくいくつか似たようなジャケットのLPが増えていき、そしてある時点で打ち止めた。おれはダイナミック(動的)なものが好きだとはっきりわかったからだ。
ミニマルミュージックは、すごく遅いCPUとGPUを使って、フラクタルを描くといった趣の音楽である。長い時間をかけて、それが同じことを単に繰り返しているだけだと気づく。そこからは何も生まれない。型が決まっているからだ。
でも、と今になって考えてみると、音楽が何かを生むという考えを捨てたところに前衛思想があったのかな、と思わないでもない。何かを生むために、自分自身では何も生まずに、その生産の場を満たす音を提供するということ。
という、70年代の終わりから80年代の初頭にかけての前衛音楽を思い出したのであった。
The Electricity In Your House Wants To Sing(I Am Robot And Proud)
というと、BCPLあたりなのかと思ってた。
ってのは、Amigaのシステム記述言語がBCPL(Amiga OSを開発したイギリスの会社がイギリス固有の事情らしきもので、CではなくBCPLをメインに使ってたかららしい)なので、OSに与える文字列はすべてBCPLの文字列にしなければならなかった(逆も真)だった(という記憶があるんだけど、Intuitionに対してはNULLターミネーションで良かったような気もしてきて、良くわかんなくなってきた)。
#最初にPASCAL stringと言い出した人は、BCPL stringのBCPLをPASCALと空目したか、タイポと思ったんじゃないかというオチにしようと思ったけど、いまいち似てないかな。
BCPL + stringで検索して引っかかったので、ちゃんと言及があることを確認してリンクしただけだったわけだが、ちゃんと読んでみるとえらくおもしろい。リッチーのペーパーなのか。
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