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なんとなく買って、拾い読み。
元気なぼくらの元気なおもちゃ (奇想コレクション)(ウィル・セルフ)
小説をハックするってのは、こんな感じだろうな、と感じる。
まず軽いですな。内容はだいたい破滅がつきまとうから、常識的には重いわけだが、軽い。というのは、出てくる人々が自分だろうが他人だろうが、破滅することにはなんの問題も感じてないからだ。破滅ってのは究極には死ぬことだが、結局は、価値観の崩壊ってことだろう。死ぬってのは価値判断の主体の消失なわけだし。というわけで、死ぬか生きるかはどうでもよく、みんな仲良くいつも足取り軽く破滅してしまう。
これって、30分我慢すれば終わる面倒なことを片付けるために、60分プログラム書いちまったみたいなことだ。
あとは、風景描写がそのままその時点での心情になっているところ。小説としては当然な手法だが、それがテクノロジカルな風景に結びついてるところが、なんとなく言葉のハックな感じ。多分、おれがその対極に想定しているのは、魔術的な感じだ。
というわけで、伝統的なきっちりかっちりとした小説(人の世界を直截的な表現を避けて描く)の枠組みの中で、どうでも良さそうに破滅していく人々を楽しそうに描き出してるわけで、ああ、イギリス人って、ジョンフォックスとかライドンとかのニューウェーバーもそうだよなぁとか、バラードとかいたよなぁ(と思ったら、バラードが傑物と評価とか帯に書いてあるが、この素直じゃない言い回しはなんなのか?)とか、まあ、そういう系譜だ。
おれと同年生まれということは、それなりに同じ風景を見ているのであろう、ということもあって、結構気に入ったので、時々空いた時間にすべてを読み進める予定。
etoさんに教えてもらった、jquery2。
本当に本気で(だと思う)JavaScriptで言語内DSLの仕組みを作る人が出てきたよ。すごい。
いろいろと考えてしまうなぁ。
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