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いやぁ、全盛期といっていいのか悪いのか、イーノが在籍していたころのロキシーの映像って無茶苦茶おもしろいではないか!(レコードはクズ未満の代物だったわけだが。といってもピジャマラマとバージニアプレインは好きだったけど)。
ヴィジュアル・ヒストリー 1972-1982 [DVD](ロキシー・ミュージック)
なんかピヨピヨしているだけのイーノと、プープーしているだけのアンディ・マッケイとじゃらじゃらしているだけのフィルマンザネラと、ポーズをとってばかりいるブライアン・フェリーとドラム(ポール・トンプソン)と良くわからないベーシストで、すかすかで始まるリ・メイク/リ・モデルのばかっぽさ。
なんじゃこりゃ。レディトロンの気持ち悪くしなをつくりながらへなへな歌うブライアンフェリー、まるでリコーダーを吹く小学生のようなアンディ・マッケイ、でもサビのあとになると緑のラメに着替えてサックスを吹いていたりして(これ合成している雰囲気はないんだけど)、フィル・マンザネラは単にジャラーンといわせているだけだし(実際にはけっこうひきつっている)、これはライブではうけただろうなぁ。で、イーノは豹柄のジャケットでブヨブヨピピピピとか意味なくシンセサイザーに弄ばれているだけだし。
これは、音源だけ聴いていたらつまらないはずだよなぁ。
というか、グラムというとマーク・ボランとかボウイとか音作りも歌もうまい連中のイメージが強すぎたのだな。それで音だけでもおもしろいと思ってしまっていたのだった。
っていうか、バージニアプレインでは後ろでゴーゴーガールズがゴーゴーしているし(途中で完全に目があっちへいっちゃってる仏頂面の女が映ってちょっと怖い)、おれは本当に70年代の風俗ってだいきらいだな。
でも、おもしろい。
フォーユアプレジャーは実につまらない曲だが、ずーっとフェリーがにやにやしていて気持ち悪いし、それもすごく。アンディマッケンは緑の妙な軍服みたいな肘だけ赤い服を着てキーボードを弾いているのだかなんだか、でイーノは鳥みたいな緑の服着て、ただシンセサイザーのつまみを回しているだけ。
あ、do the strandはいい。この曲は忘れていた。これはいいな。でもアンディマッケイが変だ。イーノは銀色の鳥みたいな服(有頂天時代のジンジャーロジャーズみたい)で髪が短い。で、これはビンセントプライス(みたいな名前のデザイナー)だなとわかる奇妙なスーツのフェリー(できそこないのハンフリー・ボガードだな)が中腰でピアノを弾くし。最後はマッケイとフェリーが右手を挙げておしまい。なんじゃこりゃ。
イン・エヴリ・ドリームだとアンディマッケイは緑のきらきらしたランニングを着ている。フェリーは三白眼を作って歌うし、イーノは今度は茶色のもさもさした妙な服だ。
というような感じで、ロクシーナイトはふけていくのであった。
エディションズ・オブ・ユーは本当のライブみたいで音が悪いが、ただタンバリンを振っているだけと思ったらプニャプニャした音を出しているせむし男みたいに一瞬見える肩が異様に張り出した妙な金色の服のイーノ(ジャミラみたいでもあるな)が目立つ。この曲は名曲おほほほー。
だんだんイーノが目立つようになるのがわかっておもしろい。それで追い出されたんだな、と納得する。
ピジャマラマは最高だな。小汚い青に金糸の刺繍のマンザネラがずーっとジャラーンとしていると白い服の背中が映り、くるっと振り返ると蝶ネクタイに白いジャケットのフェリーが歌い始めて(この服が似合うということは、給仕マンなんだろうな、本来的に)、アンディマッケイもジャズメンみたいな服でプーププーとかやるし。でもイーノが映らない(ついに追い出されたようだ)。後ろではオープンリールのテープが回っているのだが、何を流しているのか(まともなリズムセクションを流しているのか)。
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