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日々の破片

著作一覧

2009-03-18

_ 2000年

今は亡きWindows2000magazineに寄稿したActiveScriptRubyでHTAを使う記事(たぶん校正/編集前)を復元してみた。

HTA(消えている)

Windows Management Instrumentation

いま読み返すと古色蒼然たるおもむきがあるような。

(Rubyのプログラミングについても書いているので、String#[]の説明とかも入っている)

邪道編の続きといえなくもない内容だなぁ。

Rubyを256倍使うための本 邪道編(arton)

_ 256書評復刻版

さらに、発掘していたら、Rubyを256倍使うための本の書評(というかアスキーの雑誌なのでパブリシティと言えなくもない)も出てきた。

これはこっちに復元する。


ASCIIのRubyを256倍使うための本の第2弾、第3弾が続けて出版されたので両方まとめて紹介しよう。

第2弾は、「Rubyを256倍使うための本 極道編 助田雅紀著 株式会社ASCII ISBN 4-7561-3687-7 1200円+税」。第1弾となった「Rubyを256倍使うための本邪道編」が、Ruby+Windows(COM)という意表を突いた組み合わせだったように、本書も、Ruby+XPという非常にオイシイ組み合わせの内容の本となっている。

XPと言うのは1999年にケント・ベックが上梓したいわゆる「変化を抱擁せよ」本(邦訳は「XPエクストリーム・プログラミング入門 ―ソフトウェア開発の究極の手法」ピアソン・エデュケーション ISBN: 4ー8947ー1275ーX)で示されたソフトウェア開発プロセスの方法論で、一言で書けば「ソフトウェアの開発に変更はつきものだから、どうすれば柔軟に(=ローコストに)変更に対応することが可能な開発を行うことができるか」にフォーカスしたものだ。XPについて興味があるかたは、http://member.nifty.ne.jp/masarl/article/xp-tutorial.html(助田さんの友人の石井勝さんによるXPとRubyUnitの解説)を参照してみると良いだろう。(2009年注:初出原稿のままとします)

XPエクストリーム・プログラミング入門―変化を受け入れる(ケント ベック)

本書は、そのXPで重視される項目のうち、「ユニットテスト」に焦点を絞ったものだ(もうひとつの重要な要素「リファクタリング」もカバーしている)。XPにはテスト中心主義的な側面があるため、テスト自体をフレームワーク化したツールを使用するのだが、筆者の助田さんは、Ruby用のテスティングフレームワークであるRubyUnitの作者だ(本誌の読者にはWin32OLEやRubyWinの作者としておなじみかも知れない)。

この本の良さは、Rubyという可読性の高いプログラミング言語を使用して(だから、仮にRuby自体に直接興味がなかったり、 Rubyそのものでプログラムをするつもりがなくても、多少のプログラミングの知識があれば読み通すことが可能だ)、きわめて具体的に、テスティングフレームワークを使用したソフトウェアの開発方法というものを見せてくれるところにある。

こういった本は、非常に珍しい。

言ってみれば、すごくモノがわかった先輩にマンツーマンで(XPではペアでプログラミングを行う原則だ)、プログラムの書き方、テストの仕方、どうすればテストを行いやすいプログラムが書けるか(=それは結局、バグが入りにくいという意味であり、他人に読みやすいという意味でもある)、プログラムのどういう部分にバグが入りやすいか、それをなくすにはどうしたら良いか、といったことをOJTしてもらう雰囲気と言えば、理解していただけるだろうか。だからと言って、別に新人向きというわけではない。XPという方法論そのものが公開されて2年に満たないわけだから、誰にとっても新鮮なのだ。

この内容が、256倍シリーズならではの噛み砕いた感じの読みやすさで1200円なのだから、衝撃的だ。ソフトウェア開発に関係する人間ならば、文句なく「買い」の一冊だ。

Rubyを256倍使うための本 極道編(助田 雅紀)

一方、第3弾は、「Rubyを256倍使うための本 無道編 青木峰郎著 株式会社ASCII ISBN 4-7561-3709-1 1200円+税」。

これが、また実に衝撃的な本だ。

筆者の青木さんは、Rubyのコミッターの1人で、netライブラリの作成などを手がけているが、ここで取り上げられているのは、青木さんが開発したRaccというRubyで作ったパーサジェネレータだ。パーサというのは、コンパイラ理論(このへんで逃げ出したくなるとは思うが、ちょっと待っていただきたい)の本で最初に字句解析、次に構文解析と来る、その構文解析を行うプログラムだ。つまり、この本はパーサを作るRaccというソフトウェアとRubyの組み合わせだ。

常識で考えれば、教科書以外で読む必要はないような内容だし、どう転んでも読み物的な要素が入る隙はなさそうだ。筆者も、正直なところそう思っていた。

ところがこれが、滅法おもしろいから驚きだ。主題がパーサジェネレータ、内容がパーサの作成、いやぁ、固い固い。ところが純粋に読み物として、圧倒的におもしろいのだ。この読んでいて目がくらくらするような不思議な感覚を、是非とも体験していただきたい。極道編が開発方法論の Ruby256XPなら、無道編はWindowsXPやOfficeXPの意味でのRuby256XPだ。

こういったジャンルで、こういった本が出てくるというその1点で、Rubyが標榜する「プログラミングを楽しくするプログラミング言語」というのが真実なんだな、と誰もが納得すること間違いなしだ。

Rubyを256倍使うための本 無道編(青木 峰郎)

2009年注:しかしアマゾンリンクまで貼ったこともあって、書き方といい、あまりに宣伝臭すぎて辟易するものがあるが、8年という歳月の長さというものがあるなぁ、と感慨もある。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]
_ FILE (2009-03-21 21:43)

消えてしまったんですね。<br>こっそり(Hiki書式の)誤記修正をさせていただきました(WMIの方)が、残念です。

_ arton (2009-03-21 22:08)

それはどうもありがとうございました。嬉しいなぁ。<br>でも、消えてしまったんですよ。また、そのうちHiki化はするとは思いますが。


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