著作一覧 |
約30000円。
ノモスアルファの手書き楽譜付き。
ノモスアルファは、計算によって求めた音の動きに対しクセナキスが人間の手で修正を加えた音楽。
クセナキスの音楽はすべてそうやって機械が出した結果に対して人間が仕上げを施す。
ロボットが握った寿司の上にタンポポを飾るのが作曲者の使命なのか、いや、式を作るところが使命なのか、巧妙な中抜き。
問屋の作業を機械に任せる。
この方法はあまりうまくいかなかったのではないか。
抽象的なものを作曲家が楽譜として形式化する。
その形式化された情報を演奏家が演奏することで再度抽象化する。
その抽象化された情報を聴衆が聴く。鼓膜の振動はどのように脳内で処理されるのだろうか? それは作曲家が最初に夢見た抽象なのか、それとも演奏家が読み取った形式化された情報なのか。
スコアリーディングは空気の振動を媒介せずに、直接脳内で音を構成する。これはいったいなんなのだろうか。
ジェズイットを見習え |