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以前、確かHaskellの集いのときだと思ったけど、オーム社の鹿野さんから『プログラミングのための確率統計』の話になって頂いたのだけど、完読してから書評を書こうとしたものの、1/3くらい読んだところで止まってしまったため、心苦しく思ってた。
止まってしまったのは読みにくいとかといったネガティブな問題じゃなくて、いよいよ自分でプログラミングしながら確かめながら読んだ方がいいなぁというところまで来た(つまり、書いてある内容を頭の中で検証するには無理がでてきた)からで、それをするには電車の中では無理だからだ(おれの通勤電車の場合)。
でも、あの本の、事象を面積として示すことで視覚化して理解を助けるという方法論はうまいと思う。少なくとも、おれは条件付き確率を完全に理解した。
というわけで、お勧めしておく。確率を押さえておく(復習しておく)ことは、何かと言えば障害発生「率」とかを相手にする商売なんだから必要だと思う。
で、それとは別に、tork03の抽選で、オーム社の同じシリーズの線形代数が当たった。
実のところ、マンガのやつが当たったと誤解して大喜びでマンガを持っていったら、違ったので少しがっかりした(マンガは池澤さんが当たったのだと思う)。
(やはり同世代人として、この潮流も見ておきたい気もするわけだが時間は有限なのでトリガーが必要)
でも、がっかりしたとは言え、同じ筆者グループだし、外れのはずはない(というか、当たったわけだし)。
で、こちらは読まなくても(多分、全部は読む気ないし)紹介できるので紹介しておく。というのは、前書きにえらくおもしろい箇所があったからだ。
以下、『丁寧に噛み砕いて説明しているけど、内容は薄いかも』と思った人への序文から引用。
堅い数学書は、コメントの少ないソースコードにたとえられます。驚くほど効率の良いエレガントなプログラムではありますが、「理解」するには、コードから意味を読みとる努力・教養・センス(誇張すればリバースエンジニアリング)が要求されます。一方、やさしい入門書は、油断すると、「コメントだけでコードがない」「コードの断片はあっても全体としては動作するプログラムをなさない」のようになるおそれがあります。本書のスタイルは、「完動するコードにコメントをたっぷり付ける」(見事な脚注が入る―引用者注)。そのコメントも、
# p を 1 増やす
p = p + 1
ではしょうがなくて、(略)
わかってるなぁ。
と、こういうわかっている人が自分の専門分野(数理工学の研究者と名乗っている)について書いているのだから、そりゃわかる本になるのは当然だろう。
というわけで、別の読み方として、正しいコメントの記述方法の考え方(というのは、プログラミングそのものの本ではないのでコードが出ているわけではない)を学ぶというメタリーディングもできそうなのであった。
# 注)アマゾン評を眺めていて気付いたが、「プログラミングのための」というのは、「このくらいの知識を持っていればプログラミングに利用できる」とか「プログラミングで利用するための前提としてこのくらいを押さえておくべき」というような意味であって、プログラミングのためのコピペ元という意味ではない(というか、それはプログラミングではなくてコーディングだ)。そういうものを期待していると、放り投げたくなると思う。
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