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日々の破片

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2011-08-16

_ 唐変木

悪口ってのは、時代によって流行廃りが大きいらしくて、子供の頃は唐変木(トーヘンボクと読む。トウヘンボクではない)っていう表現をテレビとかマンガとかで普通に耳にしたのだが(というよりも、家族の会話で普通に使っていた)、最近はさっぱり聞かない。IMEは変換してくれないから、辞書にも無いかも知れない。

と、突然、思い出したのは、セキュリティ&プログラミングキャンプ「Rubyのバグを探せ」問題をやっていて、そういえばRubyKaigi2011で、@technohippyのセッションで声に出して読みたい構文木に対してtwitterとかで、「そう読むのか!?」という声が上がっていたのを思い出したからだ(2段階思い出し)。

(日本語では、湯桶読みと鍋蓋読み(追記:もちろん重箱読みのことだが間違いっぷりが面白いのでママ)は異例なので、特別な歴史的事情とかがなければ、送らない言葉はすべて音読みするのが正しい。したがって「き」→「ぎ」は無いね)

で、唐変木(日本語俗語辞書の説明はわかりやすい)が、「偏屈な人や一風変わった人、気の利かない人」なのと同じく、構文木ってのも人間として考えてみれば相当に偏屈な人/気の利かない人だから、発音も似ているけど、意味も相当に似ているなぁと思った。

寺田寅彦曰く「世俗の人が科学を誤解し学者を 唐変木視 ( とうへんぼくし ) する気遣いは更にないはずである。」というわけで、言葉の正しさにこだわったり、意味を明らかにしようとすることは、唐変木の得意技だし、構文木はまさにそうやってパーズしたものを組み立てたものだからまさに唐変木だ。

で、さらに続いて、上で示した日本語俗語辞書だと、昭和後年から耳にしなくなったというが、なんとなく理由が推測できてしまうのだな、これが。

青空文庫で唐変木を検索してみると、坂口安吾(この人は新潟出身だが19で上京している)がやたらと出てくるが、他の作家の例を見てもべらんめえと比較的結合しているからだ。鼻濁音と一緒に消えたのだろう。にしても、牧野信一の小説に出てくる馬賊のピストルという通り名の親父の啖呵はいかにもだ。

ゼーロン・淡雪 他十一篇 (岩波文庫)(牧野 信一)

_ 上の続き

とか書いていたら、建築では「木構造」を「もくこうぞう」というけれど、データ構造は「きこうぞう」というだろ、というツッコミがあって、構文木も「こうぶんぎ」と読むのが当然みたいな感じで、それもそうかなぁと思うにいたりました。

結論。無理に日本語にしないでカタカナでシンタックスツリーと呼べば良い(「木構造(シンタックスツリー)」とルビ)。


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