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昨日書いたFounders at Workだが、きちんと読んだら、ミッチーケイパーの章も滅法おもしろかった。
Founders at Work 33のスタートアップストーリー(Jessica Livingston)
というか、起業するような人間って、普通に考える通りに野心もあれば山師みたいなところもあるわけだから(後で補足する)、喋られせればいろいろ喋るのでおもしろくても当然だ。(が、ウォズニヤックだけは全然違うことを喋るので好きなわけだが)
特にミッチーケイパーの場合、大学を中退したこととコンピュータサイエンス畑じゃないことに心の片隅でこだわりがあるらしく、ぽろりぽろりとルサンチマンが香ってきて、それが良い味を出している。その一方で、その直前のダンブリックリンのところを読むと、彼は彼でミッチに会社を(安値で)売ることになったことにこだわりが無いとは言えないようで、どうも微妙な言い方をしているようにも読める。(ミッチケイパーはソフトウェアアーツで働いていて、そこでどうも嫌な気分を味わったらしいが、社長のダンブリックリンとは距離が遠かったのだろう)
とは言え、そこでネガティブな攻撃性を生むのではないところが、ミッチケイパーの実に良いところ。
そういう流れで、こういうのも出てくるのだな。
プログラマーのジレンマ 夢と現実の狭間(スコット・ローゼンバーグ)
(ミッチーケイパーが作ったプロジェクトがなかなかうまくいかない様子を観察した本)
起業についてダンブリックリンは
私たちの親はともに起業家であり、自分の事業を経営するという考え方はごく当たり前のものでした。会社のために働くことが当たり前だと思う家庭で育った人たちは、セーフティネットなしで自分で事業を起こすことなどとても考えられません。しかし、親や家族が起業家なら、起業が特別なことではないことを知っています。
と説明しているので、そういうものなのかも知れない。子供は結局は親の背中を見て育つわけだし。
P.127 リード6行目「クーパーは」→明らかに「ケイパーは」の間違いとしか読めない。
P.108 「チップセットはここから」→おれの語彙だとチップセットというとサウスブリッジとかのことになるし、普通の感覚だとIC群になるのではないかな。IC自体がチップを集積しているというツッコミは抜きとして。多分tip setで、「ノウハウはここから」とか「知見はここから」の誤訳だと思う。
他にもいくつかあったけど、意味が取れない、読みにくい、なんだこりゃ(クーパーはある意味ではなんだこりゃだけど、まともな読解力があれば普通に間違いとわかる)というのは無いようだ。
彼らは「へー、マリンバ。あのキム・ポレーゼがいるところでしょう?」と言いました。そこで、「うちの会社が何をしているかご存じですか?」とたずねると、「いや、わかりませんね」と言われるのです。
ですから、私たちはキム・ポレーゼを売っていれば、すごくもうかったでしょうね。
はて誰だ? と調べると「インターネットは水道や電気のように、ごく当たり前のものになると思います」という人だった。OAKにJavaという名前だけでなく、PCへの移植を指示した人らしい。ということは、確かに1990年代の重要人物の一人なのだな。
上でリンクを張った、internet magazineの1997年11月号に「携帯電話(スマートフォン)」という記述があって驚いた。はて、スマートフォンというのはどういう意味なんだ? 1997年ということは、treoさえ存在していないわけで、今のスマートフォンってのは例によってレッテル張り直し用語なのかな。
問題ありとされているja.Wikipediaのスマートフォンの独自研究だと1996年には「ただし、このとき「スマートフォン」という言葉はまだ存在しなかった。」とあるけど、少なくとも1997年11月より前の段階でキムポレーゼはスマートフォンと発言しているわけだ。
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> Kim Polese<br><br>SpikeSource社時代に会ったことあります。<br>美人だしオーラがすごかった。
PDFみても美人ですね。しかも理学博士。かっこいいから、看板効果はすごかったでしょうね。それも売り込みというかプレゼンですか?