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日々の破片

著作一覧

2011-10-18

_ 10年

WEB+DBの1~60総集編をいただきました。というか、僕もかって寄稿したから、勝ち取りましたと言ってもいいのかも知れません! というくらいに、価値ある1冊というかDVD1枚というか。

WEB+DB PRESS 総集編 [Vol.1~60](森田 創)

DVDにはpdx(知らなかったけど、PDFのインデックスなのかな。ダブルクリックしたらAdobe Readerの検索ツールが起動した)が入っていて、それなりの速度で検索できる。

試しにartonと入れてみたら、13冊ヒットした。けど、そんなに寄稿した覚えないし?と思ったら、RubyのインストーラとしてASRが紹介されていたりするからだった。(で、今は亡きinfoseekのURIが出ていたりするけど、今はRuby MSI Packagesです)

メディアがDVDだから検索そのものは早いけど、結果のPDFの表示までは多少待たされたりもする。けど、これはよいものだな。

で、技術トレンド追っかけ系雑誌10年分の実用性については、ぱっと考えると3種類ある。

1) 必要となったときの早わかり性

システムは意外と長寿ということは、いきなり仕事でEJB2が災厄のように降りかかってくることもある。で、良くわからないのだが……というようなときにその技術が旬だったころのWEB+DBの特集を読めば、必要なことは大体わかるはずだ。なぜなら、その技術が旬だったときにそのシステムは作られたはずだし、であれば、それを作った連中はWEB+DBを読んでいたはずだからだ。素晴らしい。

で、EJBで検索すると(並べ替えが「適合性のランキング」の場合)、Vol.13 (2003年だから小学校に入学したと思ったらもう来年高校受験ですなという時の流れがある。大卒2年目の人だとすると高校2年というところか。いずれにしても遠い過去の話だ)がヒットして、開いてみるとセッション/トランザクション特集にEJBが出てきて、もう一つの特集がそのものずばりの「はじめようEJB」だったりする。

なんとなく想像だけど、相当多数の(エンタープライズ系の)システムは、2004年で時が止まっているんじゃないかと思うわけで、StrutsとかJakarata-Commonsを使った遺跡のようなシステムを発掘するときにはすごい強い味方になるのは間違いないだろうな。

2) 基礎的なことの早わかり

まっとうな雑誌なら、ときどき新人用特集があって(顕著なのはインターフェイスだったけど)WEB+DBも4月号を追っかければ……と思ったけど必ずしもそうとは言えないかも。でも大ざっぱには、4月号がはじめて、新人、基礎、入門で、それが2月号になると設計入門(どっちにしても入門だけど、2月号の入門は使い方から使わせ方に軸足が移るので随分と違う)なので、10年分の4月号の特集を読んどけばよろしいのではなかろうか。

3) トレンド観察

10年たつと埋もれた技術が熟成して食べごろになっている可能性がある。EJB2にはあり得ないだろうけどな。というか、2001年8月(Vol.4)には宮川達彦「CVSによるWebシステム開発徹底入門」という記事があってCVS? と思って読むと、「せっかく徹夜で機能追加したのに、……のやつローカルの古いファイルで上書きしやがった!」とかで始まり、本当にCVSなんだと10年という時の長さに唖然とするのであった。(いや、今でも確かにCVSレポジトリも動いているけど、そう考えるとSVNの天下って短かったんだな)

あるいは、驚くべきことに、WEB+DBという名前であるけれど、目次を眺めているとJavaScriptが出てくるのが2005/06(Vol.27)のAjax―JavaScriptによるユーザビリティ革命と2006/02(Vol.31)のAjax&JavaScriptフレームワーク活用術の2つで(Vol.53はちょっと微妙なところ。あとActionScriptが出てくるけどこれも違うような)、その少なさにびっくりした。(もちろん検索すれば、62文書、3222件というわけで、どの号にも必ず出てくるわけだから、あまりにもそこにあるのが当たり前でわざわざ特集にならないということだと言えばそれまでではあるけれど、でもちょっと驚いたのは事実。でも実はVol.60がjQuery特集なのだがJavaScriptという文字を探したので最初気付かなかったのだった)

ではVol.1ではどうJavaScriptがでてくるかというと、JSPとの対比でASP(ActiveServer Page)を説明するところ、HTMLのソース、クライアントサイドの処理はJavaScriptというような言及オンリー、犀の第3版のプレゼント……一番長生きしている技術の1つなのだが、そういうものだ。それだけにAjaxで注目を浴びるわけだが、それが2005年、上で書いたようにサーバサイドJavaが確固たる位置を確立しきって(そのままレガシー化した)のが、2004年あたり、というところの時期的な妙味を楽しむのもなかなかに乙。

とまあ、おもしろいものですな。

本日のツッコミ(全5件) [ツッコミを入れる]
_ きしだ (2011-10-20 01:22)

JavaScriptは、あまり使っちゃいけない技術という扱いだったように思います。「JavaScriptをオフにしても動く」というのがひとつの大事な指標だった気もします。

_ arton (2011-10-20 08:58)

そういうのありましたね(僕も2000年頃はオフにしてた)。ブラウザーの実装がまともになってそれなりに安全にブラウジングできるようになったというのもあるだろうけど、クライアントサイドの意味ある実装が確立したのがajaxという感じかな。

_ きしだ (2011-10-20 13:41)

Gmail/Google Mapsでの真の驚きは「JavaScript使ってもいいんだ!」でした。

_ arton (2011-10-20 16:18)

なるほど。使えねーじゃなくて? そういやrubyのMLみてると海の向こうでは平気でHTMLメール使ってたしあまりそのてのことを気にしない雰囲気ヵありますね。

_ きしだ (2011-10-21 02:05)

使えるものは使おうって感じなんでしょうねぇ。


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