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まあ、内容はともかく、引っ掛かった、引っ掛かった、25万分の1に引っ掛かった。
オリゼによるポリオのワクチンについての豆講座が入っていて、それ自体は、途中まで筋道が通っていて、ふむふむそうなのかと読むわけだ。
1960年ちょっと前にポリオ大流行(といっても病気が病気なので全国で数1000人という規模)。
子供のころを思い起こせば、小児マヒで車椅子というのは、一つの主人公が美談を作るためのパターンとなるくらいには流行した。肩を壊して通院していて知り合った、入院している車いすの少年の夢をかなえるために主人公が奮起して優勝するとかね。
で、最初、不活化ワクチンを使っていたのだが、これが予防にはきくが、現にウィルスがうようよしているところでは、あまり効き目が無い。
そこに、どうにか日米安保(まだ締結する前だと思った。というかおれも生まれていない)の足を引っ張りたいソ連から、効き目ばっちりの生ワクチンを提供するという申し出がある。
それを無視する自民党政権。
でも、最終的には国民の声に押されて生ワクチンを認可するのだが、ソ連は関係なく国産するのかな。ちょっと忘れた。
効き目は抜群で、またたくまにポリオは激減し、上で書いたような美談の中でしか登場しない病気となり、そのうち、美談の中にも出なくなった。
そうやって国内生産ができるようになり、しかも効き目があるとなると、産業として成立し、かつ実績と前例ができるので、前者は経済、後者は政治のアーキテクチャがあるから、変えられなくなる。
となると、国内に関してはウイルスそのものがいなくなったにも関わらず、不活化ワクチンに戻すということができなくなった。
問題は生ワクチンは、あくまでも生ウイルスだということで、一番危険な数字を持ち出すと250000人に1人は、副反応として感染してしまう可能性がある。不活化ワクチンにはその危険性はほとんど無い。
これは、おかしいだろ? とオリゼが叫ぶ。
うむ、そうだなぁと読み進むと、突然、オリゼがむちゃくちゃを言い出す。しょせん菌だなぁ。
親にとっては、250000分の1という数字には意味ないですよね? 我が子が罹患するかしないかの1/2です!
いやいやいやいや、それはないだろう。
こういうたわけた物言いが入ると、とたんにげんなりしてしまうのだった。
良い日本人が1億人いるとして、しかし犯罪率から25万人に1人は殺人を犯す悪い日本人です。でも、親にとっては殺されるか殺されないかの1/2ですよね。隣人の日本人を撃ち殺しましょう。
それは理屈ではなく、単なる扇動だ。(似たような扇動をさんざん見せられたのが、まさに昨年のことだった)
というわけで、なんかとても気分が悪かったせいで、本編も今一つ。ただ、美空が宙をばたばたしてから、ふとあきらめるところでは笑ったけどな。
神奈川県は地方行政として不活化ワクチンの接種に取り組んでいた(民主党政権が今秋から導入としたので今年3月末でやめるらしいけど)ようだ。
# 百日咳を巡って2種か3種かという選択はあって、子供には確か2種を受けさせたのだが、今は焦点はポリオに移って、百日咳ワクチンは問題なくなったのか?
jaWikipediaだと、百日咳は不活化ワクチンに問題があって、微妙な対応をしつつ1994年(これも非自民政権だ)に仕切り直しがあったみたいだな。年金の問題とか厄介なこともあるし、動きは遅いかも知れないけど、厚生労働省は仕事をしているなぁ。
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