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電子書籍に対する意識調査を読んでいて気づいたが、というのは嘘で前からわかっていたが、手触りというか皮膚感覚を伴わないというだけで、コスト度外視で価値が半減すると信じ込んでいるカスにふさわしい商品というものがある。
紙の本で、好みやシーンに合わせた、100種類の商品を生産するのは厄介だ。というわけで、通常はハードカバーを売って、ある程度の費用を回収したところで、まだ伸び代があれば文庫版にして、底辺読書家を拾うということになる。
でも待て、電子書籍であっても、同じことをやるには、少なくとも2種類の表紙絵を用意して、2種類の解説(普通は文庫版特権だけど)を用意したりするからそれなりのコストはかかる。
でも、自動車と同じように1つの書籍について16種類のカラーリング(表紙だけだね)を用意するためのコストはどのくらい必要だろうか? あるいは、デフォルトのフォントサイズを、シニア用とノーマルと、Reina版の3種類用意するためのコストは?
コスト計算もできない乞食にはそれにふさわしい皮衣を用意すれば良い。
バイオレットで揃える……と、アジュールブラウン(どんな色かな)で揃える……と、シルバーモンブランで揃える……と3種類用意して、しかも3種類のバージョンの一括購入ならお値打ち価格で、個別に買うより1種類分お得! とか。
紙の本を2種類購入させるのは、内容を読書する人間に買わせるのは難しい。だが、内容を読書しない単なる消費者に対しては、有効に働くと想像できる。ではそれを試すコストは? というのが、紙の本と異なる電子書籍の販売側のメリットだ。クリームパンナコッタ版が1冊も売れなくてもいいじゃん。重要なのはカタログをふくらませるところにあるからだ。
ジョブズ本を、白表紙のジョブズブックポリカーボネートと、黒いジョブズブック、アルミダイキャストカラーのジョブズブックプロ、そして限定販売のジョブズブックボンダイブルーと用意するコストは? 棚面積は? 4冊一括購入特典で3冊分の価格で売ってやるための追加コストは? システムの初期投資だけだ。
(ポリカーボネートバージョン)
で、そうやって売って利益を出して、真の読書家のためにプレインテキスト版を提供してくださいよ、本当(やっぱ、Ctrl-vでページを下ろせないと読みにくいんだよね)。
(つまり、iBooksの本棚に色違いの同じ本を並べさせて消費者を満足させることが目標となる。例:ノルウェイの森の緑版、赤版、黄色版、白版とかね。5色そろえた人には表紙がクリスマスツリーの特典版が安く買えるよ! クリスマスツリーの表紙が並んでいれば真のファンだ! とか煽るのは絶対に必要だな。しかも半年後にはマホガニーが表紙の特典版も出したりしてね)
上で書いたことを出版社が始め、しかも成功をおさめたと仮定する。
すると、電子書籍評論家という人たちによって、「やはりノルウェイの森の真髄は赤でなければ味わえない」、「いや、クリスマスツリー特典版がもつ上質な読み応えが最も感動的だ」、「真の読書家であるならば、緑版をiPadでこすっているときの手触りでなければ、登場人物の心理を感じ取ることは不可能だ」といったオカルト談義が楽しめるよ!
ジェズイットを見習え |
「ノルウェイの森」に関していいますと、これは上下巻で色を変えただけなので、片方だけでは中途半端になってしまいますね(^^;<br>装丁を変えたものの同時(あるいはほぼ同時?)出版というとあまりないかもしれませんね。とはいえ、並製と箱入り上製というくらいはあったかもしれません。
電子書籍版は重量をかんがえなくて良いので分冊はしない前提とするわけです。すると、紙と異なり一色になるので、同一内容でカラーバリエーションを出す。で、一冊の単価を半分にして、乞食根性をみたしてやるけど、読書するわけではないので二冊買うから問題なしというようなことですね。
あ、なるほど。確かにそれはありますね。新たなAKB商法的なw