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子供の誕生日に楽譜を買ってやると表参道に呼び出そうと思ったら、カワイが閉まっている。しょうがないので、渋谷のヤマハへ行ったら自転車屋に変わっている。あ、そうだった。
そこで東急本店のじゅんく堂に行く。
エレベータを降りて、棚の間を歩くと、本当にハッピーな気分だ。
で、突き当りに楽譜コーナーがあるのだが、楽譜はほんの少ししかない。ゼンオンのピアノ譜はそれなりに充実しているが、それだけだ。
ヴェルディは1900年に死んだ。死ぬ前に彼は音楽家の権利のために奔走し、著作権の元ネタのひとつを確立し、そのおかげもあってリコルディという楽譜屋と、その楽譜屋がスポンサーとなってオペラ作曲家のコンクールを開き、プッチーニをはじめヴェリズモの作曲家が大金を手にできるようになった。オペラを死ぬまで書き続け極貧のうちに死ぬものもあった世界(例外的にロッシーニは途中でレストランのオーナーに転身して人生をまっとうした)が変わる。
が、レコードが発明、販売されると、自分で楽譜を買って演奏したり歌ったりするよりも、レコードを買って聴くほうが楽(娯楽は安易に流れるから娯楽だ)なので、楽譜屋の春は終わりを告げた。それから80年、春どころか冬も終わりかけのようだ。まあ、駆逐したレコードあらためCD盤面屋の春が終わったのだから、しょうがない。
で、しょうがないので迷った末、銀座のヤマハはまだ生きていることを知り、ヤマハで楽譜を買う。
それにしても、じゅんく堂のメインストリートを左右の棚を眺めながら歩くことは本当に楽しい。世の中にはまだまだまったく知らないことが山のようにある。まだ見ぬ論理やまだ見ぬ冒険、味わったこともない料理や、観たこともない画家、聴いたこともない作曲家、口ずさんだことのない詩人、歴史、哲学、思想、なんでもだ。それらがほぼすべて日本語で書かれて、印刷されて、そこにある。
こんな不思議で素敵な場所がほかにあるだろうか? いや、もちろんない。どこにもない。
(でも、楽譜はほとんどない)
ジェズイットを見習え |
ジュンク堂はいいですね。<br>でも渋谷ジュンクは開店直後に行って欲しい本が二冊ともなくて、池袋や新宿よりも落ちるなとがっかりした思い出があります。<br>新宿ジュンクがなくなったのはとても残念です。あんなに家電量販店ばかりいらないですよねえ。
楽譜が入手しやすい店舗情報希望(!)
銀座まで出るなら山野楽器にも結構ありますよ、楽譜。最近日本に帰る度に寄ってます。
それは残念でした。> unbeさん<br>渋谷店の良いところは(新宿はうろ覚えだけど)、他の店が片側通路の壁で置くに向かって櫛みたく書棚が伸びているのに対して、通路に対して左右両側に書棚が伸びているパースペクティブなので、冊数は少なくとも池袋には負けてますね。<br>igapyonさん、僕が買いたかったのはオペラのピアノ伴奏譜(という呼び方で合ってるのかな? 声楽パートは完全に出ているけど、オーケストラパートがピアノに置き換わっているやつ)で、観た感じは、表参道のカワイ > 銀座ヤマハ ですね。もっとも買いたかったのはモーツァルトのドンジョバンニなので売っていないはずはなく、当然買えました(というか、それなりに店ごとに個性があって然るべきじゃないかなぁ)。shiroさんお勧めの山野楽器は地下鉄の駅に近いから便利だと思います(楽譜売り場は行ったことないので現時点ではわからないけど)。<br>shiroさん、どうもありがとうございます。今度、行ってみます。
私も直接見る時は銀座の山野楽器ですね。それで見つからない時は通販です。この前リストのローレライの楽譜が手に入らないんで、大阪のササヤ書店で買いました。ここは圧倒的な品揃えのようなので大阪に行く機会があったら是非のぞいてみたいものです。あと著作権切れの楽譜を公開しているサイトが最近は結構ありますね。
新潟市のジュンク堂には良く行く(週二回くらい)のですが、あまり「メインストリート」という感じはないかもしれません。建物の構成上、入口にすぐ階段があって。<br><br>時間がない時は、もうちょっとこじんまりした書店がよいと思うのですが、大きな本屋さんでうろうろするの大好きです。
遠い大学生の頃、書店でアルバイトをしていたこともあり、池袋ジュンクに初めて行った時に、店内を見渡せない高い棚、座り読みスペース、1階に集中しているレジなど、顧客を「敵対視」していない店づくりに驚きました。<br>最近では、代官山の蔦屋書店が書籍で雑然としている感じが面白かったです。たまたま立ち寄ったのですが、つい洋書の絵本を衝動買いしたり。<br>関係無いですが、八重洲ブックセンターはGoogleMapで店内を歩けるんですね。
楽譜情報ありがとうございます。<br>お教えいただいた店、まわってみます(!)